スリープセンター

スリープセンター

当院スリープセンターでは、主に睡眠時無呼吸症候群の検査・診断・治療を一貫して行っています。

睡眠障害を正しく診断するために、終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査(1泊入院検査)を行い、検査後は専門医の診断を行い、原因や重症度に応じて治療方法を選択します。

 

睡眠検査までの流れ

  • 1受 診

    受 診

    古賀病院21の外来:呼吸器内科を受診(事前に予約)
    月曜から土曜の午前診療(木曜のみ午後診療あり)

    矢印

  • 2簡易検査

    簡易検査

    睡眠に関する問診、呼吸器内科医による診察後、自宅で簡易検査を行う。
    翌日返却。

    矢印

  • 3検 査

    検 査

    後日、簡易検査の結果説明を受け、主治医が精密検査を必要と判断された場合のみ、1泊入院し、検査をする。(予約制)

    • 夕方16時までに来院、入院手続きをし、機械の取り付けを行います。
    • 21時消灯で翌日7時起床予定(希望により5時起床も可)

    矢印

  • 4再受診

    再受診

    1泊入院から10日以上空けて、再び呼吸器内科を受診(予約)し、検査結果を聞く。

※紹介状があればご持参ください。ご持参できない方は初診料がかかります。
※他院での検査結果(簡易検査の結果)があればご持参ください。

睡眠時無呼吸症候群検査一泊入院費 概算

1割負担の方…約1万円
2割負担の方…約2万円
3割負担の方…約3万円

※主保険以外に障害者医療証などお持ちでしたら一緒にご提出ください。

CPAP治療実績

現在 550人管理中      2020年1月1日現在

質のよい睡眠とれてますか?

質のよい睡眠

みなさんは、質の良い睡眠がとれていますか?

人間は人生の約3分の1を眠って過ごしています。睡眠は脳や体の疲労回復に役立っており、質の良い睡眠をとることは健康を維持するためにも重要なことです。

睡眠障害にはさまざまな疾患があり、なかでも睡眠時無呼吸症候群は頻度が高い(成人男性の4%、女性の2%:アメリカの報告)と言われていますが、自覚症状が少ないことや、専門の診療機関の不足等からも、まだまだ隠れた疾患と言えます。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠中に10秒以上の呼吸停止、あるいは浅い呼吸が何度もくり返し起こる病気で、その程度が睡眠1時間あたり、5回以上認められる場合に、この病気であると診断されます。

呼吸が停止すると、脳から「呼吸しなさい!」と命令が下るため、呼吸が止まるたびに脳は覚醒状態となり、睡眠が中断され、深い眠りがとれなくなってしまいます。したがって睡眠時間は長くとっているようでも脳や体が休まっていないことが多く、起きた時にすっきりしない、頭痛がする、昼間の眠けなどが出現してきます。

しかし、夜間の呼吸停止や、夜中の目覚めに本人が気づくことはほとんどありません。睡眠の質が悪くなると、昼間の眠けだけでなく、集中力の欠如、全身倦怠感の原因となります。実際、運転中にわずか数秒眠ってしまい、交通事故をおこす割合は無呼吸がない人と比べて、7倍も起こしやすいという報告もあります。

また、睡眠時無呼吸を治療せずに放っておくと、高血圧や狭心症、心筋梗塞及び、脳梗塞などの危険な疾患を合併する危険性が非常に高いと言われています。さらに、糖尿病とも関わりがあることがわかってきており、睡眠時無呼吸は生活習慣病の危険因子としても重要な病気であると言えます。

成人だけでなく小児にもこの病気はあり、夜尿や行動異常、発育障害などの原因となります。小児の場合のほとんどは扁桃腺肥大やアデノイドなど耳鼻科的な疾患が原因です。

心当たりありませんか?~自覚症状

  • いびきをかくと言われる。
  • 寝ている間に呼吸が止まっていると言われる。
  • 息苦しさで目が覚めることがある。
  • 睡眠時間は長くとったはずなのに、昼間に眠くなる。
  • 朝、起きた時に頭痛がしたり、スッキリしない、頭が重い感じがする。
  • 朝、起きた時に口の中が渇いている。
  • 夜間、トイレにいく回数が多い。
  • 足などにむくみがある。
  • 集中力が続かない、体がだるい。
  • 血圧が高いと言われる。
  • 肥満がある。
  • 扁桃腺が大きいと言われる。
  • あごが小さい、後退している。

この病気は自覚症状が全くない人が多く、家族や周りから指摘を受けて受診されるケースが多くあります。

上記の質問に心当たりのある方は、睡眠時無呼吸があることが疑われます。早めに専門の施設を受診され、睡眠ポリソムノグラフィー検査を受けられることをおすすめします。

どうして呼吸が止まるの?~原因

呼吸が止まるタイプには『中枢型』と『閉塞型』の二種類がありますが、ほとんどが気道(空気の通り道)が閉塞することによっておこる『閉塞型』です。

通常、眠っている間は筋肉が緩んで舌が下がり、気道が狭くなりますが、肥満がある、首が短くて太い、あごが小さい、扁桃腺が大きいなど、もともと気道が狭い人の場合にはさらに気道が狭くなります。(この時にいびきが発生)そのような状態で息を吸い込む時の陰圧が強くかかると完全に気道がふさがってしまい、無呼吸が起こります。

睡眠時無呼吸症候群の検査

スリープセンター 睡眠検査室 スリープセンター 睡眠検査室

睡眠時無呼吸症候群をはじめとする睡眠障害を正確に診断するためには、睡眠ポリソムノグラフィー検査(PSG)という検査(一泊入院)が必要になります。

この検査は寝る前に、脳波、呼吸運動、心電図、いびき音、体の酸素飽和度などのセンサーをとりつけ、一晩中連続して記録する検査です。色々なセンサーを取り付けますので、眠れるかどうか心配される方もいますが、ほとんどの方が検査に支障なく眠っています。尚、痛みを生じる検査ではありません。

この検査により、睡眠の深さや無呼吸の有無、不整脈、いびきの出現時間など、睡眠中におこるさまざまな状態を知ることができます。この検査は健康保険の適応になっていますが、検査をする側の時間や労務負担が多いため、限られた施設でしか行われていません。

当院スリープセンターでは現在この検査装置を2台備えており、月曜日から土曜日の週6日間、検査を行っております。尚、睡眠検査室は検査専用のゆったりとした広い個室を使用しています。

睡眠ポリソムノグラフィー検査のご案内

検査日 月曜日~土曜日
検査時間 一泊入院(午後~夕方入院→翌朝退院)
  • 健康保険の適応です。

検査を希望される方、またご質問やお問い合わせなどある方は、お気軽にスリープセンターまでご連絡下さい。

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、その程度によって治療が必要になります。治療内容においては主治医と患者さんと相談の上で決めていきますが、下記のような治療方法があります。

シーパップ療法(持続陽圧呼吸療法)

寝る時に、鼻にマスクを着けて空気を送り込むことによって、気道がふさがるのを予防します。ほとんどすべての睡眠時無呼吸の患者さんに有効で、治療の第一選択とされています。
適応基準を満たした方は健康保険の適応となります。

マウスピース療法(歯科装具)

寝る時に、マウスピースを着けて下あごがやや前にでるようにかみあわせるもので、これにより舌の落ち込みをふせぎ、気道がふさがるのを予防します。

いびき症の方や、無呼吸の程度が中等症以下の方に適応ですが、重症例に有効な時もあります。

生活習慣の改善

  • 減量
    肥満がある方は体重を減らすだけでも無呼吸は少なくなります。
  • 横向きに寝る
    あお向けに寝ると無呼吸は起こりやすくなりますが、横向きに寝るだけでも無呼吸の回数が少なくなることがあります。しかし、睡眠中の体位を意識することは難しく、背中にボールをおく、枕を斜めにする、抱き枕を使用するなど工夫が必要です。
  • 飲酒を控える
    アルコールの摂取はますます気道を狭くなりやすくするため、飲酒を控えることでも無呼吸の回数は少なくなります。

耳鼻科的な治療

扁桃腺が大きい、のどちんこが大きい、気道が狭い、鼻がつまるなど耳鼻科的な治療の適応がある方には、専門の耳鼻科への受診をおすすめしています。

スリープセンターの受診について

睡眠ポリソムノグラフィー検査、またはご質問を希望される場合には、スリープセンターまでお問い合わせください。

古賀病院21 スリープセンター
0942-38-2767(直通)
電話受付時間: 月曜~土曜(祝日除く) 8:30~17:00