令和5年度 新古賀病院 病院指標

病院指標

指標全てに共通する定義

  • [1]当院を令和5年度(令和5年4月1日~令和6年3月31日)に退院された患者さんが対象です。
  • [2]医療保険のみで入院された患者さんが対象となり、自動車賠償責任保険・労災保険・自費等で入院された患者さんは除きます。
  • [3]一般病棟に1度でも入院された患者さんが対象となり、回復期リハビリテーション病棟・緩和ケア病棟のみに入院された患者さんは除きます。
  • [4]入院後24時間以内に死亡された患者さんは除きます。

※各指標による詳細な定義につきましては各指標のページで解説します。

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 47 95 149 407 716 1253 2615 2114 600

実績について

当院は地域医療支援病院として平成24年より福岡県から承認を受け、久留米二次医療圏及び周辺の病院やクリニックと連携し、患者さんに安全で質の高い医療の提供を行っています。
2023年度は、年齢別では60歳以上の患者さんが82%、70歳以上が67%を占めるなど年々高齢の患者層が増加しており、紹介率は82.0%、逆紹介率は83.5%で、いずれも前年度を上回る結果となっていました。 救急車の搬入件数は4193件、救急からの入院は2286名と年々増加傾向で、昨年度は初めて4000件を超える結果でした。疾患別では、心血管疾患、脳血管疾患、消化器疾患、呼吸器疾患を中心に筑後地域から広く受入を行っておいました。 新型コロナウイルス感染症に関しては2023年5月から5類相当に移行しましたが、重症患者こそ少なくなったものの2023年度は前年を上回る351人の新型コロナ感染患者を受け入れていました。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

救急科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし 38 20.84 20.03 31.58% 84.39
180010x0xxx3xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等23あり 16 28.56 37.53 31.25% 73.69
180010x0xxx2xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等22あり 10 35.20 31.28 30.00% 82.90
161020xxxxx00x 体温異常 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 6.6 - -
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし - - 12.88 - -

救急搬送された患者の多くで、全身管理を必要とする敗血症を発症しており、肺炎、尿路感染症、胆管炎、蜂窩織炎など原因は様々であります。SOFA10点以上の敗血症を数多く救命しており、在院日数も全国平均を下回っています。入院初期から他職種と協力して、救命するだけでなく、いかに社会復帰ができるかを日々考えております。来院時にショック状態の場合は、適応を協議し、血液浄化(PMX-DHP, CHDF)を導入しています、血液浄化は、他に肝不全、急性膵炎、ARDSでも導入しております。地域連携をしっかり充実させることで平均在院日数の改善を考えています。

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なしA-DROP スコア2 27 18.70 15.44 11.11% 83.07
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 24 11.29 13.59 25.00% 72.04
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 15 21 20.6 20.00% 86.73
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 17.27 13.70 20.00% 74.20
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 13 6.08 2.98 0.00% 74.08

当院呼吸器内科の入院診療では、肺炎や重症の喘息発作管理などの他、肺がん、間質性肺炎といった、専門性の高い疾患についても、診断から治療まで一元的に完結できる診療体制をとっています。

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 105 10.19 9.89 0.95% 71.50
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 41 5.34 8.33 0.00% 69.73
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 20 9.05 9.17 20.00% 61.10
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 14 8.14 9.54 0.00% 43.14
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - 13.59 - -

肺癌および気胸に対する手術療法を中心に診療を行っている。肺癌術後補助化学療法も肺癌診療ガイドラインに則り患者さんに提案し試行したり、術後再発に対する化学療法も積極的に行っている。手術や化学療法以外にも終末期医療や気胸の保存的治療も行っており、幅広い診療を行っている。入院期間に関しても全国平均とほぼ同等の期間となっており、診療の質や安全性も確保できていると考える。 肺がんの外科治療に関しては、ロボット支援下手術も導入しており、より幅広い要望に対応可能となっている。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 313 4.36 4.57 0.32% 69.20
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 282 4.06 4.26 0.71% 72.70
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 155 8.34 9.77 6.45% 80.72
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 115 17.03 17.38 26.09% 81.74
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 108 11.57 11.54 5.56% 73.19

循環器内科では狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療を初めとして、不整脈に対するアブレーション治療やペースメーカ植込み、冠動脈以外特に下肢動脈へのカテーテル治療、さらには弁膜症に対するカテーテル治療など幅広い分野を網羅した治療を行っています。 またパンデミックと表現される急増した心不全患者さんへも適切な治療を行うと同時に、病院独自のパスを有効に使用することで入院期間の短縮を心がけています。

消化器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 93 4.74 4.55 0.00% 69.34
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 72 7.36 5.98 0.00% 64.44
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 53 8.94 6.87 5.66% 66.08
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 47 14.57 15.12 2.13% 73.72
060040xx0200xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 31 14.55 14.80 6.45% 71.32

ヘルニアや虫垂炎、胆石などの良性疾患から悪性腫瘍(癌)まで幅広く診療しております。 また、積極的に身体への負担が少ない腹腔鏡手術を行っており、近年はロボット手術も導入いたしました。 緊急手術への対応も行っており、365日、24時間、対応可能なチーム構築を行っております。

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 225 8.60 8.75 9.33% 76.68
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 166 2.73 2.61 0.00% 70.48
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 62 7.53 7.58 0.00% 65.56
060102xx99xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 49 7.88 7.61 4.08% 75.51
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2なし 49 8.10 8.55 4.08% 73.12

食道・胃・十二指腸・他腸の炎症、胃の悪性腫瘍に対する粘膜切除術等、消化管疾患を数多く治療しています。胆管結石、胆管炎に対して内視鏡的治療を行う患者は225例の症例があります。平均在院日数は約8.6日で、全国平均よりも短い実績となっています。 結腸悪性腫瘍などについても化学療法など多く行っています。

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 49 19.69 21.52 8.16% 74.55
050161xx97x1xx 大動脈解離 その他の手術あり 手術・処置等21あり 21 21.05 28.09 23.81% 63.24
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 17 2.00 2.61 0.00% 61.71
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 16 17.19 21.38 6.25% 73.13
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等21あり 16 15.50 19.20 6.25% 72.38

心臓手術と大動脈手術総数は増加傾向にあります。手術時間が短縮しており、在院日数は全国平均よりも短く、良好な成績を出しています。特に心臓弁膜症手術や冠動脈バイパス術の低侵襲化を進めており、6cmほどの小切開での胸腔鏡下手術(MICS)や小切開冠動脈バイパス術(MIDCAB)の件数が増えています。また大動脈弁、僧帽弁、三尖弁の二弁、三弁に対する複合弁膜症手術や心房細動に対するメイズ手術同時施行例も増加しています。僧帽弁閉鎖不全症に対しては26年前から僧帽弁形成術を第1選択の治療として行っており、僧帽弁閉鎖不全症再発による再手術例はなく、良好な遠隔成績を達成できています。冠動脈バイパス術での平均バイパス本数は3.8本で、100%の開存率を達成できています。心臓ならびに胸部大動脈疾患に対する手術では、緊急手術を含め急性期死亡率は4.5%、と非常に良好な成績でした。腹部大動脈瘤に関しては開腹による人工血管置換術かステントグラフト留置か、遠隔成績や年齢を考慮し慎重に治療法を検討しています。下肢静脈瘤に対してはレーザー治療を積極的に行っています。

糖尿病・内分泌内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 47 14.13 13.99 4.26% 69.40
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし 20 11.60 10.66 0.00% 64.40
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 12 12.17 13.15 0.00% 63.50
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 11 10.82 10.25 0.18% 77.45
100210xxxxxxxx 低血糖症 - - 6.80 - -

糖尿病、甲状腺、内分泌代謝疾患全般の診療を行っています。近年、自宅でも24時間血糖をモニタリングできるデバイスが広く用いられるようになり、外来でのインスリン導入がより安全にできるようになり、糖尿病の教育入院は減り、高血糖による緊急入院が増えております。また一方で、電解質異常(低または高ナトリウム血症、低K血症、高Ca血症等)の緊急入院の方も増加傾向となっております。内分泌の病気は、下垂体、副腎疾患の病名は分類が細分化されているため、上位には上がっておりませんが、原発性アルドステロン症、サブクリニカルクッシング症候群、副腎皮質機能低下症、下垂体疾患など多岐に渡った診療を行っております。 

乳腺外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
090010xx99x40x 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 87 8.10 3.51 0.00% 61.46
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 79 9.41 5.64 1.27% 64.19
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 60 12.27 9.88 1.67% 59.98
090010xx99x80x 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等28あり 定義副傷病なし 24 9.92 3.55 0.00% 59.96
090010xx99x6xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 17 8.76 3.81 0.00% 59.35

当科では乳がんを中心に乳線全般(妊娠関連は除外)を診察しています。診断が早く、手術終了まで約1ヶ月で完結します。乳線悪性腫瘍手術で入院される患者さんが多く、年間約150例ほどの手術を行っております。また、抗癌剤による化学療法治療も行っており、局所進行癌に対し術前化学療法の導入も行っております。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
010070xx9902xx 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 77 2.00 5.87 0.00% 72.90
010010xx9906xx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等26あり 73 3.04 4.26 5.48% 67.32
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 53 14.25 19.09 69.81% 68.36
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 52 13.69 15.57 42.31% 73.25
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 47 14.66 15.70 38.30% 74.11

脳卒中(脳梗塞・脳内出血・クモ膜下出血)の急性期治療として、血管内治療(血栓回収療法・コイル塞栓術など)・外科治療(動脈瘤クリッピング術・血腫除去術・バイパス術など)・内科治療(rt-PA血栓溶解)を行い良好な治療成績が得られ短い在院日数を達成しています。脳腫瘍に対するガンマナイフ放射腺治療も長年の実績に基づいて治療を継続しています。

婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 32 6.22 6.00 0.00% 52.94
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 29 3.14 2.96 0.00% 45.66
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 24 6.88 5.93 0.00% 43.50
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 19 9.11 9.23 0.00% 45.42
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 18 7.44 10.10 0.00% 57.83

子宮・卵巣の良性疾患に対しては腹腔鏡下手術を積極的に行い、安全、正確かつ迅速で低侵襲な手術を行っています。また、悪性腫瘍に関しては標準的な手術療法を提供しており、比較的早期の退院を可能にしています。

内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 22 23.91 14.23 9.10% 68.68
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2なし - - 15.40 - -
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2なし15歳以上 - - 16.56 - -
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし - - 12.88 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.52 - -

2023年度入院患者数は、182例となっています。前年度の215例より減少しております。内訳はCOVID-19感染症 115例(63%)、膠原病31例(17%)、感染症26例(14%)その他10例(6%)となっております。COVID-19感染症を当科以外の診療科が担当する症例が増加し、当科での担当症例が減少しております。これに対して、膠原病、感染症の症例が増加しております。 COVID-19感染症の多くは高齢者であり、誤嚥性肺炎の合併症や併存症の悪化を招く例が少なくありませんでした。膠原病はリウマチ学会専門医の指導の下で、巨細胞性動脈炎、関節リウマチ、皮膚筋炎、顕微鏡的多発血管炎、リウマチ性多発筋痛症などの症例に診療を行っております。感染症では、肺炎、腎盂腎炎などの一般的な感染症に加えて、デング熱、ツツガ虫病、レミエール症候群などの比較的まれ疾患も含まれております。 

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期分類
基準 (※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 54 18 23 40 22 41 1 7版
大腸癌 30 53 73 62 35 51 1 7版
乳癌 113 57 47 42 - 10 1 7版
肺癌 80 26 27 58 36 63 1 7,8版
肝癌 - 15 - - - 49 1 7版

※1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

実績について

  • 早期癌には積極的に手術を行い、進行癌に対しては手術や化学療法(抗癌剤、免疫チェックポイント阻害剤)、放射線治療を組み合わせ、完治を目指した治療を行います。また、完治が難しい場合は、生活の質(QOL)を維持しながら少しでも長生きできるような治療方針で診療しております。
  • 手術は、胃癌ではガイドラインに準じ、腹腔鏡手術も積極的に行っており、大腸癌では、90%以上の症例で腹腔鏡下手術を完遂し、近年はロボット手術も行っております。
  • 肝癌(肝細胞癌、肝内胆管癌、転移性肝癌)に対しては、開腹下高難度手術を積極的に行うと共に、腹腔鏡下手術にも積極的に取り組んでいます。当科は肝胆膵外科高度技能手術修練施設Aに認定されています。
  • 乳癌に対しては、手術を年間約150例行っており、悪性腫瘍部分を切除し乳房を温存すること、乳房部分切除術を多く施行している。乳癌の手術数は150例ほどで安定してますが、温存率は前年までと比較するとやや低下し約80%を切る様になりました。また、抗癌剤による化学療法治療も行っており、局所進行癌に対し術前化学療法の導入も行っております。
  • 肺癌手術症例はやはりI期、II期の症例が大半となっており、進行癌に対しても積極的に術前導入化学療法もしくは放射線化学療法を行い、ダウンステージングや微小転移巣のコントロールを行って手術療法を施行しています。術後補助療法や再発時化学療法に関しては、免疫治療の発展により呼吸器内科と連携し治療にあたっています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

重症度 患者数 平均在院日数 平均年齢
軽症 22 12.36 53.50
中等症 153 16.01 79.59
重症 39 18.87 85.08
超重症 - - -
不明 - - -

実績について

  • 2023年度は、COVID-19感染症が落ち着いてきましたが、一方で、誤嚥性肺炎を含む高齢者の中等症以上の肺炎が増加しました。

脳梗塞のICD10別患者数等

ICD10 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
I63$ 3日以内 269 17.36 77.85 42.22%
その他 46 11.63 75.89 6.35%

実績について

脳梗塞(急性期)の治療件数は年々増加し、年間260例以上の治療を行っています。 超急性期の血栓回収療法を積極的に行い、良好な治療成績が得られています。内科的治療および必要に応じて外科的治療(手術)も併せて行っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 66 1.68 8.39 0.00% 71.58
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 27 1.26 6.07 3.70% 71.96
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 16 5.06 3.63 0.00% 46.38
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 10 1.5 7.5 0.00% 74.20
K5132 胸腔鏡下肺切除術 部分切除 - - - - -

クリニカルパスに沿った管理を行い術後在院日数の短縮を行いながらも、基本的には自宅退院を勧めることが出来ている。これは周術期管理や手術の質を高めることで可能になっていると考えられる。また年々、重喫煙者・高度肺気腫を背景とした難治性気胸症例が増加しており、治療方針も含め呼吸器内科及び療養病院との連携が重要となっている。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 277 1.14 2.42 0.36% 70.26
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 220 1.88 2.88 2.73% 70.84
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 106 1.23 3.20 1.89% 72.39
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 88 1.45 6.18 18.18% 76.48
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 82 3.35 8.17 9.76% 77.96

循環器内科の手術の柱は、①冠動脈へのカテーテル治療②不整脈治療(頻脈性不整脈へのアブレーションと、徐脈性不整脈へのペースメーカ植込み)③冠動脈以外、特に下肢動脈へのカテーテル治療 となります。 また、弁膜症への新しい治療(TAVIやマイトラクリップなど)も積極的に導入し、最先端の治療を心がけています。

消化器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 133 1.56 5.44 2.26%

65.27

K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 74 1.11 2.55 0.00% 70.23
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 40 2.70 11.15 5.00% 75.43

K6113

抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 29 0.97 6.45 3.45% 72.31
K740-21 腹腔鏡下直腸切除・切断術 切除術 24 5.83 12.83 8.33% 74.13

良性疾患、悪性疾患(癌)、いずれにおいても腹腔鏡手術が大部分となっております。 一方で、患者さんにとって開腹手術のほうが有益と判断すすれば、腹腔鏡手術をお勧めしないこともあります。 症例毎に慎重に適応を判断し、治療法を決定しております。

消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 198 1.25 8.05 11.62% 78.92
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 166 1.17 1.95 0.60% 72.31
K654 内視鏡的消化管止血術 48 2.00 8.15 10.42% 76.17
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 48 1.44 6.54 8.33% 74.90
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上 44 0.48 2.14 0.00% 68.45

胆道ステント留置術、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を始め、消化管止血術等、内視鏡治療を数多く積極的に行っています。

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術 2吻合以上のもの 33 5.91 13.91 18.18% 69.33
K5551 弁置換術 1弁のもの 19 4.74 17.16 15.79% 74.42
K5606 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの) 15 2.73 11.40 6.67% 71.20
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 15 0.00 1.00 0.00% 63.53
K5552 弁置換術 2弁のもの 13 6.69 20.46 38.46% 76.31

心臓手術と大動脈手術総数は増加傾向にあります。手術時間が短縮しており、在院日数は全国平均よりも短く、良好な成績を出しています。特に心臓弁膜症手術や冠動脈バイパス術の低侵襲化を進めており、6cmほどの小切開での胸腔鏡下手術(MICS)や小切開冠動脈バイパス術(MIDCAB)の件数が増えています。また大動脈弁、僧帽弁、三尖弁の二弁、三弁に対する複合弁膜症手術や心房細動に対するメイズ手術同時施行例も増加しています。僧帽弁閉鎖不全症に対しては26年前から僧帽弁形成術を行い良好な遠隔成績を達成できています。冠動脈バイパス術での平均バイパス本数は3.8本で、100%の開存率を達成できています。心臓ならびに胸部大動脈疾患に対する手術では、緊急手術を含め急性期死亡率は4.5%、と非常に良好な成績でした。腹部大動脈瘤に関しては開腹による人工血管置換術かステントグラフト留置か、遠隔成績や年齢を考慮し慎重に治療法を検討しています。下肢静脈瘤に対してはレーザー治療を積極的に行っています。

乳腺外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 78 1.55 6.64 1.28% 64.37
K4764 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。)) 27 1.59 7.89 0.00% 59.52
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの 22 1.45 15.86 9.09% 61.00
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 19 1.79 9.21 0.00% 62.53
K4741 乳腺腫瘍摘出術 長径5cm未満 - - - - -

 乳癌に対しては、手術を年間約150例行っており、悪性腫瘍部分を切除し乳房を温存する、乳房部分切除術が多く、温存率は約80%となっております。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 37 0.14 10.70 29.73%

76.65

K178-4 経皮的脳血栓回収術 30 0.00 18.60 60.00% 80.03
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの 22 0.05 26.00 90.91% 68.23
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 19 3.47 17.79 21.05% 60.89
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 17 1.24 1.18 0.00% 38.94

脳腫瘍(髄膜腫・聴神経腫瘍など)、未破裂・破裂脳動脈瘤、内頚動脈狭窄症の直達外科手術を数多く行い良好な術後成績が得られています。また、脳梗塞急性期の血栓回収術にも積極的に取り組んでおり症例数は大幅に増加しています。

 

婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 37 0.95 4.19 0.00% 51.57
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 33 1.00 5.03 0.00% 51.52
K867 子宮頸部(腟部)切除術 30 1.00 1.13 0.00% 45.63
K877 子宮全摘術

16

1.00 7.63 0.00% 49.69
K872-31 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術 電解質溶液利用のもの 14 1.00 1.00 0.00% 45.50

子宮や卵巣の良性疾患については、内視鏡(腹腔鏡および子宮鏡)下手術を積極的に行い、安全、正確かつ迅速で低侵襲な手術を行っています。

腎臓内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 11 6.91 18.36 27.27% 75.00
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -

慢性腎臓病保存期の患者様は看護師・栄養士をはじめ多職種による診療・療養指導を行っています。尿検査異常、進行する腎機能障害などの症例において、腎生検を要する病態の患者さまは、古賀病院21腎臓内科へ紹介します。また、透析導入準備としての内シャント造設術は心臓血管外科の医師が実施します。透析患者さまのシャントトラブルは循環器内科の医師と密に連携して評価を行い、必要時は循環器内科医師がシャントPTAを実施しています。透析患者さまが入院されましたら、病態に合わせた適切な透析治療法を選択し、治療が円滑に進むように配慮をしています。  

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 80 1.00%
異なる 14 0.18%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 59 0.74%
異なる - -

実績について

  • 敗血症治療は各科で感染源治療を行い、敗血症性ショックで血液浄化が必要な症例では、救急科で診療に携わっています。疾患としては、肺炎、尿路感染の他、消化管穿孔、急性膵炎、カテ感染、胆嚢炎などがあり、当院の血液浄化はエンドトキシン除去を行うPMX-DHP、敗血症で使用可能なCHDFが代表的でありますが、他の加療も救急科が中心となってスムーズに加療ができるように心がけています。敗血症症例は近隣の病院よりも多くの症例を診察しており、在院日数も全国平均よりも下回っております。敗血症といえば、生存率がよくないので、治療を行っても無意味と思っている医者も少なくなく、そのことを改善していきたいと日々思っています。

医療の質指標

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

肺血栓塞栓症発症のリスク
レベルが「中」以上の手術を
施行した退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された
患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の
手術を施行した患者の肺血栓
塞栓症予防対策の実施率
809 725 89.62%

実績について

  • 心臓手術や胸部大動脈手術などの比較的大きな手術に関して、低侵襲化を図り、胸腔鏡下弁膜症手術、小切開冠動脈バイパス術を行うことにより手術時間が短縮されています。手術時間の短縮は術後肺塞栓予防に大きく影響し術後肺塞栓発生率は0%の状態です。術後早期のICU内でのベット上あるいは歩行リハビリを進めており、ストッキングなどによりさらに肺塞栓予防において良好な成績を維持しています。

血液培養2セット実施率

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1796 1365 76.00%

実績について

  • 死亡率の高い菌血症を診断するためには血液培養は重要な検査であり、タイミングよく2セット以上の実施により原因微生物の検出感度や検査精度の向上が期待できます。当院では培養結果に応じて適正な抗菌薬治療が行えるように支援チーム(AST)を組織し、抗菌薬の選択や投与量だけでなく、必要な検査の追加や解釈など主治医と連携して感染症治療をサポートしています。 今回2セット実施率が76%と同規模の施設と比べると低い結果でした。これは治療後の陰性確認のため、1セット採取を推奨していることも影響していると推測されます。 今後、2セット以上の実施の重要性を啓蒙し、医療の質の向上に貢献できるように取り組みを続けていきます。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数
(分母)
分母のうち、入院日以降
抗菌薬処方日までの間に
細菌培養同定検査が実施
された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬
使用時の細菌培養
実施率
813 705 86.72%

実績について

  • 2020年国立病院114施設における広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率が公表されており、平均75.6% ,中央値 78.0%、25パーセンタイル 65.9%, 75パーセントタイル 86.4%となっており、これらの数値との比較からは、当院の実施率は比較的良好と思われるが、一般に95%以上が目標となっており、引き続き実施率の改善に努めていきたい。

更新履歴

2024年9月30日
令和5年度病院指標を公開しました。
2023年9月27日
令和4年度病院指標を公開しました。
2022年9月29日
令和3年度病院指標を公開しました。
2021年9月27日
令和2年度病院指標を公開しました。
2020年9月29日
令和元年度病院指標を公開しました。
2019年9月30日
平成30年度病院指標を公開しました。
2018年9月29日
平成29年度病院指標を公開しました。
2017年9月30日
平成28年度病院指標を公開しました。
2016年9月30日
平成27年度病院指標を公開しました。