平成28年度 新古賀病院 病院指標

平成28年度 新古賀病院 病院指標

指標全てに共通する定義

  • [1]当院を平成28年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)に退院された患者さんが対象です。
  • [2]医療保険のみで入院された患者さんが対象となり、自動車賠償責任保険・労災保険・自費等で入院された患者さんは除きます。
  • [3]一般病棟に1度でも入院された患者さんが対象となり、回復期リハビリテーション病棟・緩和ケア病棟のみに入院された患者さんは除きます。
  • [4]入院後24時間以内に死亡された患者さんは除きます。

※各指標による詳細な定義につきましては各指標のページで解説します。

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 2 42 75 151 401 674 1586 1933 1631 300

集計の定義

  • 平成28年度に退院された患者様の年齢階級別の退院患者数です。
  • 各年代は入院日時点のものです。
  • 90歳以上についてはまとめています。
  • 患者数が10件未満の場合は「-」としています。

実績について

当院は地域医療支援病院として平成24年より福岡県から承認を受け、久留米二次医療圏及び周辺の病院やクリニックと連携を行って、患者さんに安全で質の高い医療の提供を行っています。年齢別では特に60歳以上の患者さんが80%を占めており、疾患別では心臓疾患、脳神経疾患、消化器疾患、呼吸器疾患、生活習慣病疾患などが多く、救急車や緊急来院で入院した方が約1800名いらっしゃいます。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

集計の定義

  • 各診療科別にDPC14桁分類の患者数の多い症例数上位5つについて『DPCコード』『DPC名称』『患者数』『平均在院日数(自院)』『平均在院日数(全国)』『転院率』『平均年齢』をお示ししています。
  • 入院中に転科があった場合には医療資源を最も投入した傷病を担当された診療科で集計しています。
  • 『転院率』は各『DPCコード』の「転院患者数/全退院患者数」です。
  • 『患者数』が10件未満の場合、『平均在院日数(全国)』以外は「-」としています。
  • 『平均在院日数(全国)』以外が全て「-」となっている診療科においては解説は省略しています。

各名称について

  • [1]『DPCコード』⇒診断群分類を表すコードです。病名・治療内容(手術や処置等)の組み合わせにより14桁のコードに振り分けられます。
  • [2]『DPC名称』⇒『DPCコード』に対する名称です。
  • [3]『患者数』⇒各『DPCコード』に該当する患者数です。
  • [4]『平均在院日数(自院)』⇒当院に入院していた日数の平均値です。退院日も入院日数に含みます。
  • [5]『平均在院日数(他院)』⇒厚生労働省より公表されている平成28年度における全国DPC対象病院の平均在院日数の平均値です。
  • [6]『転院率』⇒各『DPCコード』の当院から他院へ転院された患者さんの割合です。
  • [7]『平均年齢』⇒各『DPCコード』に該当する患者さんの年齢の平均値です。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 16 3.8 4.3 0.0% 58.75
070071xx97xxxx 骨髄炎(上肢以外) 手術あり - 35.5 37.1 0.0% 65.83
070395xx970xxx 壊死性筋膜炎 手術あり 手術・処置等1なし - 17.0 38.2 50.0% 73.25
070570xx010xxx 瘢痕拘縮 瘢痕拘縮形成手術 手術・処置等1なし - 17.5 6.2 0.0% 54.5
100100xx97x1xx 糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2あり - 59.8 49.3 25.0% 70.5

糖尿病足病変、足の壊疽や潰瘍に対する外科治療を形成外科で担当しているため足病変関連の疾患の割合が多くなっています(2017年8月からは足病センターも開設)。2年前から形成外科一般の加療も行っていることが周知されてきたことから、皮膚の良性腫瘍の依頼も増加傾向にあります。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010070xx99020x 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし 144 2.0 5.7 0.0% 73.48
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 89 14.9 16.5 32.6% 71.57
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 43 10.0 9.9 18.6% 82.51
010010xx01x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 39 28.9 22.5 18.0% 59.31
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 39 17.3 19.4 56.4% 68.03

脳卒中(脳梗塞・脳内出血・クモ膜下出血)の急性期治療として、血管内治療(血栓回収療法・コイル塞栓術など)・外科治療(動脈瘤クリッピング術・血腫除去術・バイパス術など)・内科治療(rt-PA血栓溶解)を精力的に行っています。

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 98 12.9 12.7 2.0% 71.10
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 23 9.0 10.1 4.4% 35.43
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 20 16.0 14.8 30.0% 77.00
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし 14 7.1 12.4 0.0% 69.64
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 12 7.7 9.1 8.3% 54.17

年間100例前後の肺悪性腫瘍手術を行っているほか、再発や初診時進行肺癌に対する抗癌剤治療、緩和ケアなど一連の肺癌診療を原則的にはすべて行っています。
また気胸に対する保存的治療や外科治療など症例毎に十分検討し、再発率の低下や入院期間の短縮を目指し診療しています。

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050180xx97xxxx 静脈・リンパ管疾患 その他の手術あり 46 2.1 3.3 0.0% 65.24
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 副傷病なし 33 27.8 24.7 6.1% 67.61
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等21あり 17 18.0 21.9 5.9% 66.76
050161xx9900xx 解離性大動脈瘤 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 12 27.8 18.3 16.7% 76.5
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 10 21.6 12.7 0.0% 74.7

僧帽弁閉鎖不全症に対しては20年前から自己弁を温存する僧帽弁形成術を第1選択の治療として行っており、再手術することも無く良好な遠隔成績を達成できています。解離性大動脈瘤に対しては夜間であっても緊急手術を行っており、良好な結果が得られています。腹部大動脈瘤の治療に関しては、症例毎に遠隔期成績を含めて検討し、人工血管置換術かステントグラフト内挿術かを慎重に選択して実施しています。下肢静脈瘤に対してはレーザーによる焼灼術を積極的に行っています。

婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 24 8.9 10.1 0.0% 44.25
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 16 8.6 9.4 0.0% 69.19
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 13 7.1 6.4 0.0% 39.54
120100xx01xx0x 子宮内膜症 子宮全摘術等 副傷病なし 10 7.1 7.9 0.0% 39.1
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 - 6.3 6.3 0.0% 44.5

子宮・卵巣の良性疾患に対しては経膣手術や腹腔鏡下手術を積極的に行い、安全、正確かつ迅速で低侵襲な手術を行っています。また、悪性腫瘍に関しては、診断まで行っています。
子宮脱や膀胱脱、尿失禁の患者さんには、原則的に手術療法を行っていますが、ペッサリーによる保存的治療も行います。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 342 4.5 4.7 1.2% 70.35
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 126 5.8 5.5 0.0% 65.80
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 109 9.9 11.4 6.4% 78.58
050050xx02030x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等23あり 副傷病なし 99 6.5 10.3 0.0% 71.40
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 87 17.2 18.0 14.9% 81.72

狭心症・心筋梗塞といった冠動脈疾患を最も多く診療しています。心臓CTを最大限に利用した迅速な診断及び治療を心掛けるとともに、心臓だけではなく全身の動脈硬化の管理も心がけています。次に多いのが不整脈で、脈が遅くなる徐脈性不整脈だけではなく、脈が早くなる頻脈性不整脈の治療にも力を入れています。
高齢化社会を反映して心不全患者さんの増加が目立っています。心不全は入退院を繰り返すことの多い疾患ですが、医師だけではなく看護師・リハビリ・薬剤師・栄養士などでのチーム医療を心がけ、訪問看護などの利用での再入院を減らすよう心がけも行っています。

糖尿病・内分泌内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病なし85歳未満 38 16.8 14.6 5.3% 65.39
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病なし85歳未満 23 18.4 14.9 0.0% 64.04
100070xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし85歳未満 22 11.8 11.5 0.0% 60.91
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 副傷病なし 14 13.4 13.8 0.0% 56.29
100180xx99000x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 14 4.1 6.1 0.0% 58.29

糖尿病・内分泌・代謝疾患全般の診療を行っていますが、血糖コントロールのための糖尿病教育入院が最も多くなっています。
生活習慣病の代表である2型糖尿病は発見が遅れると命に関わる合併症を引き起こす危険があるため、合併症の早期発見に努め、適正な薬剤及び食事療法、運動療法などの正しい知識を得て、患者さん自身で管理していくことが大切と考えます。

救急科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 31.9 21.3 40.0% 83.10
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 10 10.9 12.4 20.0% 76.20
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし - 4.1 5.2 0.0% 69.67
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なしA-DROP スコア1 - 10.0 13.6 0.0% 85.57
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし - 14.5 19.9 16.7% 79.00

救急搬送では、循環器(心筋梗塞、狭心症、心不全)、脳疾患(脳梗塞、脳出血)、消化器(出血、結石症)、呼吸器疾患が多くなっています。
当科で入院を担当しているのは、主に感染に関する疾患となります。重症肺炎、尿路感染症は敗血症、敗血症性ショックに及ぶものもあり、血液浄化療法(PMX, CHDF, PDF(選択的血漿交換))を積極的に導入して、SOFA10点以上の敗血症を数多く救命しています。
血液浄化は、他に肝不全、急性膵炎、ARDSでも導入しており、他職種と協力して集中治療を行っています。

血液内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病なし 42 13.2 16.8 0.0% 71.43
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等22あり - 45.7 42.0 0.0% 76.57
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等23あり 副傷病なし - 26.0 17.6 14.3% 72.86
130030xx99x50x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等25あり 副傷病なし - 20.7 14.5 0.0% 74.57
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等24あり - 8.6 10.8 0.0% 81.43

高齢者を中心に化学療法を行っているため、ADL低下や合併疾患のある方には短期入院化学療法を行っています。
また初診、生検等がある患者さんでは、初回治療後に慎重な観察を行ってから退院としています。

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 80 8.7 11.1 0.0% 77.60
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 40 7.9 7.4 0.0% 64.03
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2なし 37 9.1 9.0 0.0% 73.19
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 34 7.8 7.9 2.9% 72.94
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 34 11.2 10.9 5.9% 70.79

食道・胃・十二指腸・他腸の炎症、胃の悪性腫瘍に対する粘膜切除術等、消化管疾患を数多く治療していますが、最も多いのは胆管結石、胆管炎に対して内視鏡的治療を行う患者さんで、80例の症例があります。
平均在院日数は8.7日で、全国平均よりも短い実績となっています。

消化器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし 37 9.2 11.7 0.0% 74.95
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 37 7.6 6.8 0.0% 56.92
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 33 8.7 7.6 0.0% 66.64
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 29 20.1 15.9 0.0% 72.00
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 29 10.5 9.1 0.0% 70.00

肝癌(肝細胞癌、肝内胆管癌、転移性肝癌)に対しては開腹下高難度手術を積極的に行うと共に腹腔鏡下手術にも力を入れており、肝胆膵外科高度技能手術修練施設Aに認定されています。
胆道結石に関しては消化器内科と連携し、乳頭機能不全を伴う症例については、内視鏡的結石除去を行った後、ほとんどのケースで腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っています。
また、急性胆嚢炎発症後96時間以内の症例ではガイドラインに準じ、積極的に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っています。大腸癌は90%以上の症例を腹腔鏡下手術で完遂しています。鼠径ヘルニアをはじめ、ヘルニア症例に関しては、可能な限り腹腔鏡下手術でアプローチし、メッシュを用いての修復を行っています。鼠径ヘルニアに関しては、再発例を除き、基本的には腹膜外アプローチを推奨しています。

乳腺外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
090010xx03x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2なし 70 10.7 6.6 0.0% 59.80
090010xx99x40x 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病なし 48 8.6 4.6 0.0% 58.88
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2なし 37 12.3 11.6 13.5% 62.43
090010xx99x6xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 19 5.4 4.6 0.0% 56.68
090010xx99x9xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等29あり 15 9.3 7.3 0.0% 56.87

当科では乳がんを中心に乳線全般(妊娠関連は除外)を診察しています。診断が早く、手術終了まで約1ヶ月で完結します。乳線悪性腫瘍手術で入院される患者さんが多く、年間約130例ほどの手術を行っております。また、抗癌剤による化学療法治療も行っており、局所進行癌に対し術前化学療法の導入も行っております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期分類
基準 (※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 50 15 11 43 24 22 1 7版
大腸癌 40 33 19 30 32 27 1 7版
乳癌 54 45 41 30 4 57 1 7版
肺癌 73 12 21 20 2 49 1 7版
肝癌 7 13 26 12 3 76 1 7版
※1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
  • 5大癌のUICC病期分類別の患者数です。

UICC病期分類とは

  • 国際対がん連合(UICC)によって定められたTNM分類を用いてがんの進行度合い、いわゆる病期(Stage)を図る指標です。TNM分類はTが「原発腫瘍の拡がり」、Nが「所属リンパ節転移の有無と拡がり」、Mが「遠隔転移の有無」を表しており、このTNMの組み合わせによりStage0~Ⅳに分けることが出来ます。

集計の定義

  • 繰り返し入退院される患者さんは1入院のたびに1件とカウントします(同じ患者さんがH28年度に3回入退院された場合は3件となります)。
  • Stageが「0」のものは集計対象外としています。

実績について

  • 消化器系癌疾患に対し手術治療を積極的に行っています。
    胃癌に対してはガイドラインに準じ、腹腔鏡手術も積極的に行っています。
    大腸癌に対しては、90%以上の症例に対し腹腔鏡下での手術を完遂しています。
    肝癌(肝細胞癌、肝内胆管癌、転移性肝癌)に対しては、開腹下高難度手術を積極的に行うと共に、腹腔鏡下手術にも力を入れています。
    当科は肝胆膵外科高度技能手術修練施設Aに認定されています。
  • 肺癌はやはりI期、II期の症例が大半とはなりますが、進行癌に対しても積極的に術前導入化学療法もしくは放射線化学療法を行い、ダウンステージングや微小転移巣のコントロールを行って手術療法を施行しています。そのため、再発症例も多いように思われるかもしれません。
  • 乳癌に対しては、手術を年間約130例行っており、悪性腫瘍部分を切除し乳房を温存する、乳房部分切除術が多く、温存率は約85%となっております。また、抗癌剤による化学療法治療も行っており、局所進行癌に対し術前化学療法の導入も行っております。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 9 11.00 59.11
中等症 101 12.68 80.44
重症 29 16.00 83.62
超重症 10 13.60 87.30
不明 0 0.00 0.00
  • 成人の市中肺炎の重症度別患者数です。日本呼吸器学会成人市中肺炎診療ガイドライン肺炎重症度分類(A-DROPシステム)の定義に基づき、入院時の状態から重症度を決定し、それぞれ「患者数」「平均在院日数」「平均年齢」を算出しています。

<A-DROPシステム>

  • 1.男性≧70歳、女性≧75歳
  • 2.尿素窒素≧21 または脱水
  • 3.酸素飽和度≦90%
  • 4.意識障害
  • 5.収縮期血圧≦90mmHg
  • 軽 症:1~5いずれも満たさない
  • 中等症:1つまたは2つを有する
  • 重 症:3つを有する
  • 超重症:4つまたは5つまたはショック
  • 不 明:1~5のうち1つでも不明であったもの

集計の定義

  • 入院の契機となった傷病名と最も医療資源を投入した傷病名に対するICD-10コードが「J13~J18$」で始まるものが対象です。

実績について

  • 当院の市中肺炎の重症度別患者数では、軽症及び中等症が比較的多いことが特徴となっています。これらはガイドラインでは外来治療を推奨されており、近年市中肺炎は当院のような施設でも、一般の診療所でもほとんどは入院することなく外来治療で完結しています。しかし、高齢者の中等症以上や軽症例でも外来治療に難渋する難治症例があり、そのような場合は当院あるいは、関連専門施設の古賀病院21での入院加療を行っています。

脳梗塞のICD10別患者数等

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 19 4.37 75.26 0.0%
その他 3 2.67 69.00 0.0%
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 0 0 0 0.0%
その他 0 0 0 0.0%
I63$ 脳梗塞 3日以内 232 17.36 75.22 34.7%
その他 39 20.10 77.67 7.0%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄、脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 1 16.00 70.00 0.0%
その他 170 4.62 74.49 0.0%
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄、脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 1 9 86.00 0.0%
その他 13 4.31 66.31 0.0%
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 1 23 45.00 0.0%
その他 5 2.40 49.80 0.0%
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 0 0 0 0.0%
その他 0 0 0 0.0%
  • 脳梗塞等の分類にあたる患者さんをICD-10コード別に集計しています。

集計の定義

  • 発症日から「3日以内」「その他」に分けて集計しています。
  • 『転院率』は各『ICD10』の患者さんの転院患者数/全退院患者数です。

ICD-10とは

死因や疾病の国際的な統計基準として世界保健機関(WHO)によって公表されている分類です。死因や疾病の統計等に関する情報の国際的な比較や、医療機関における診療記録の管理などに活用されます。


実績について

年間250例以上の脳梗塞(一過性脳虚血発作を含む)の治療を行っています。内科的治療と、必要に応じて外科的治療(手術)を併せて行っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

集計の定義

  • 各診療科別にDPC14桁分類の患者数の多い症例数上位5つについて『DPCコード』『DPC名称』『患者数』『平均在院日数(自院)』『平均在院日数(全国)』『転院率』『平均年齢』をお示ししています。
  • 入院中に転科があった場合には医療資源を最も投入した傷病を担当された診療科で集計しています。
  • 『転院率』は各『DPCコード』の「転院患者数/全退院患者数」です。
  • 『患者数』が10件未満の場合、『平均在院日数(全国)』以外は「-」としています。
  • 『平均在院日数(全国)』以外が全て「-」となっている診療科においては解説は省略しています。

各名称について

  • [1]『DPCコード』⇒診断群分類を表すコードです。病名・治療内容(手術や処置等)の組み合わせにより14桁のコードに振り分けられます。
  • [2]『DPC名称』⇒『DPCコード』に対する名称です。
  • [3]『患者数』⇒各『DPCコード』に該当する患者数です。
  • [4]『平均在院日数(自院)』⇒当院に入院していた日数の平均値です。退院日も入院日数に含みます。
  • [5]『平均在院日数(他院)』⇒厚生労働省より公表されている平成28年度における全国DPC対象病院の平均在院日数の平均値です。
  • [6]『転院率』⇒各『DPCコード』の当院から他院へ転院された患者さんの割合です。
  • [7]『平均年齢』⇒各『DPCコード』に該当する患者さんの年齢の平均値です。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0842 四肢切断術(上腕,前腕,手,大腿,下腿,足) - 26.2 32.0 60.0% 64.00
K0003ロ 創傷処理(筋肉、臓器に達するもの)(長径10cm以上)(その他のもの) - 1.3 11.3 0.0% 86.50
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - 0.0 1.0 0.0% 38.25
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上) - 2.0 10.0 0.0% 63.00
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満) - 5.0 2.3 0.0% 51.50

壊疽や症状がかなり進行した患者さんの紹介が多い当院の性格上、やむを得ず足壊疽に対して行う様々な部位での切断術が多くなっています。
その他は、形成外科の手術技術を要する様々なサイズ、部位の良性腫瘍切除が多くなっています。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 48 6.7 23.0 25.0% 59.73
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 44 0.7 9.4 20.5% 82.61
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 13 2.5 17.9 7.7% 62.69
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) 13 4.4 17.9 7.7% 73.54
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) 11 0.6 26.2 90.9% 67.64

脳腫瘍(髄膜腫・聴神経腫瘍など)、未破裂脳動脈瘤、内頚動脈狭窄症の外科手術を数多く行っています。

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 62 1.9 10.3 0.0% 71.02
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 26 4.3 4.2 3.9% 37.69
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 22 1.6 7.8 0.0% 72.00
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 13 0.2 5.7 0.0% 70.77
K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他) - 1.0 7.8 0.0% 59.83

肺悪性腫瘍手術は基本的に前日入院、術後1週間前後を目安に診療を行っているため、退院前に抜糸も完了し、安心して自宅退院をしていただいています。
CVポート(持続注入用植込型カテーテル)の留置に関しては、そのまま抗癌剤治療までを行っているため術後入院期間が長めになっていますが、最近では基本的には日帰り手術や一泊入院としています。

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 46 0.0 1.0 0.0% 65.24
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 23 6.7 20.7 17.4% 67.09
K5551 弁置換術(1弁) 15 8.1 20.1 0.0% 74.07
K5606 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)) 13 2.9 13.5 7.7% 64.69
K5552 弁置換術(2弁) 10 5.4 27.7 20.0% 75.80

弁置換術に関しては高齢者に対する生体弁を用いた大動脈弁置換術が最も多く、正確で迅速な手術を心がけ、短い心停止時間で手術を終了しています。僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術も積極的に行っています。さらに二弁、三弁に対する複合弁膜症手術や心房細動に対するメイズ手術を同時に行う症例が増加しています。冠動脈バイパス術では100%の開存率を達成できています。腹部大動脈瘤に対しては、ステントグラフト留置術も行っていますので、開腹による人工血管置換術症例は近位部の性状が悪く、技術的に難度の高い症例に対する手術が多くなっています。下肢静脈瘤に対してはレーザーによる焼灼術を積極的に行っています。

婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 22 1.1 4.6 0.0% 38.41
K877 子宮全摘術 17 1.1 7.4 0.0% 47.18
K867 子宮頸部(腟部)切除術 13 1.0 1.5 0.0% 43.08
K8721 子宮筋腫摘出(核出)術(腹式) 10 1.0 6.9 0.0% 41.50
K8654 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術)(腟式、腹式) - 1.1 7.5 0.0% 69.63

子宮・卵巣の良性疾患に対しては、経膣手術や腹腔鏡下手術を積極的に行い、安全、正確かつ迅速で低侵襲な手術を行っています。
また、子宮脱や膀胱脱、尿失禁の患者さんには、原則的に手術療法を行っています。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 339 1.2 3.6 1.2% 70.38
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 117 1.4 8.0 3.4% 74.20
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 93 1.9 3.2 0.0% 65.54
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 78 2.5 7.6 6.4% 77.17
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 75 0.3 11.0 10.7% 71.35

冠動脈疾患患者さんへのカテーテル治療が最も多い手術となります。内訳としては冠動脈ステント留置術が最も多いのですが、冠動脈内のプラークを削るロータブレーターやDCAといった特殊治療も行っています。また、手術を安全に施行しかつ成績向上のために、冠動脈の中を観察するIVUSやOCTといった血管内イメージングを積極的に使用しています。
冠動脈だけではなく、下肢動脈や鎖骨下動脈・腎動脈などの拡張術も行っています。また血液透析患者さんの内シャント狭窄へは、腎臓内科医と協力しながらシャント拡張術を行っています。
不整脈に関しては、徐脈性不整脈には以前よりペースメーカ植込み術を行っていましたが、近年は頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療を積極的に行っています。

消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 347 0.4 1.3 0.3% 65.99
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 54 3.2 11.2 1.9% 78.61
K654 内視鏡的消化管止血術 41 1.5 11.3 7.3% 73.98
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 35 0.5 2.5 0.0% 68.51
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 34 2.2 6.5 2.9% 72.15

内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を始め、胆道ステント留置術、消化管止血術等、治療内視鏡を数多く積極的に行っています。

消化器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 80 2.4 6.5 1.3% 62.26
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 42 1.4 3.6 0.0% 70.12
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 36 4.1 17.0 0.0% 71.03
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 32 1.1 5.6 0.0% 75.38
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 25 0.6 4.1 0.0% 39.24

開腹手術での経験を踏まえ、適応症例を腹腔鏡手術へと徐々に移行しています。鏡視下手術の利点である拡大視効果を利用し、繊細な手術が可能となっています。リンパ節郭清が必要な癌症例に関して、特に大腸癌に対しては、栄養血管と共にリンパ節を摘出するため、腹腔鏡下手術が適していると考えています。
胆嚢疾患(結石、ポリープ、腺筋症など)、ヘルニア、虫垂炎等の良性疾患に対しては、創が小さくて、確実な手術が出来る腹腔鏡下手術は、患者さん中心の医療として重要と考えます。また、虫垂炎に関しては、以前のように緊急手術を行うケースは減少しております。抗菌剤で炎症を制御し、患者さんの予定、手術室の稼働状況を鑑みながら、患者さんに対してデメリットのない治療が行えています。
肝細胞癌肝予備能不良例に対し、放射線科の協力で血管塞栓術を行っています。

乳腺外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 71 2.3 8.0 1.4% 60.15
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う)) 20 1.5 8.5 5.0% 57.15
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 18 2.8 15.8 16.7% 69.72
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) - 1.3 8.8 0.0% 56.78
K4742 乳腺腫瘍摘出術(長径5cm以上) - 0.5 3.5 0.0% 40.50

当科では乳線悪性腫瘍手術を年間約130症例行っております。その中でも、悪性腫瘍部分を切除し乳房を温存する、乳房部分切除術が多く、温存率は約85%となっております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 DIC 同一 0 0.0%
異なる 0 0.0%
180010 敗血症 同一 49 0.72%
異なる 6 9.0%
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0.0%
異なる 0 0.0%
180040 手術・処置の合併症 同一 48 0.71%
異なる 5 7.0%

集計の定義

  • [1]平成28年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)に退院された患者様が対象です。
  • [2]その中でも一般病棟の入院期間を1件とします。(例:8/1一般病棟へ入院⇒8/15回復期病棟へ転棟⇒8/25一般病棟へ転棟⇒8/30退院の場合は一般病棟に2回入院してましたので、2件となります。)
  • [3]最も医療資源を投入した傷病名のDPC上6桁が「130100」「180010」「180035」「180040」で入院の契機となった傷病名のDPC上6桁と同一の場合と、異なる場合で件数と発生率を算出しています。発生率算出の分母は[2]の全退院患者数です。

実績について

  • SSI制御に積極的に取り組んでいます。手術室では医療者の手荒れを防ぐ手洗い手法を推奨しており、手術開始後3時間毎にアルコールによる手指の再消毒、手袋交換を行っています。患者さん側に対しては、執刀30分前の予防的抗菌薬投与と、その後3時間毎の追加投与を行っています。予防的抗菌薬投与はクリニカルパスに準じて行い、治療が必要な感染症が発症した場合は速やかに治療的抗菌薬投与に切り替え、感染担当医に早期コンサルトを行っています。
  • 感染に関しては、各方面のコメディカルスタッフの協力のもと、病院一丸となって取り組んでいます。敗血症治療は各科で責任を持って治療を行い、その生存率は病院全体で69.1%となっています。敗血症性ショックで血液浄化が必要な症例では、救急科にコンサルトしてもらうこともあります。疾患としては、肺炎、尿路感染の他、消化管穿孔、急性膵炎、カテ感染、胆嚢炎などがあり、敗血症性ショックの28日生存率は病院全体で57.1%ですが、血液浄化を行った症例は生存率87.5%と高率で救命できています。当院の血液浄化はエンドトキシン除去を行うPMX-DHP、敗血症で使用可能なSepXiris-CHDFが代表的ですが、他病院にはない特徴として、PDF(Plasma Filtration with Dialysis)という選択的血漿交換があり、それぞれの症例で血液浄化チームでカンファレンスを行い、方法の決定を行っていることが、救命率のアップにつながっていると考えます。
  • グラフトシャントを行った慢性腎不全症例における遠隔期での合併症では、局所の炎症、感染の程度を把握し、感染が全身に波及する前に積極的に外科的治療を行っています。

更新履歴

2016年9月30日
平成27年度病院指標を公開しました。
2017年9月30日
平成28年度病院指標を公開しました。