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部門紹介(新古賀クリニック)
臨床工学課(血液浄化部門)
新古賀クリニックの臨床工学課は血液浄化部門と内視鏡部門で構成されています。その中で、血液浄化部門は6名の臨床工学技士が所属しており、古賀病院21、新古賀病院、野伏間クリニックとも連携しております。血液透析をメイン業務に、アフェレシス療法へも従事しております。
透析液ができるまで
透析では、1回当り約150Lもの大量の水を使用します。その水を作成するために、逆浸透(RO)装置と呼ばれる水処理装置を用いて、不純物のない水を作成します。RO装置を通過した水なので、一般的に“RO水”と呼びます。
このRO水を用いて、透析液を作成します。具体的には、2種類の粉末をA液溶解装置、B液溶解装置でそれぞれ溶解してA原液、B原液を作成し、その2種類の原液とRO水を透析液供給装置(セントラル)にて一定の割合(1:1.26:32.74)で混合して作成したものが透析液です。
RO装置内のタンクからA,B液溶解装置、セントラルへの配管はループ配管にし、インバータ制御にて24時間循環させることで、水の滞溜を防止し細菌の繁殖を抑えています。
作成された透析液は、細菌や“エンドトキシン”と呼ばれるパイロジェン(発熱物質)を除去するために、モルセップと呼ばれるフィルタを通過させ、各フロアの透析コンソールに送液しています。
さらに、全ての透析コンソールには、ETRF(エンドトキシン捕捉フィルタ)が2本ずつ取り付けられており、細菌やエンドトキシンが透析液内で検出されないように万全の体制を整えています。
透析液の清浄化
作成した透析液が安全な水準であるかどうかを確認するために、定期的に生菌数検査やエンドトキシン測定を行なっております。院内で測定する体制を整え、“日本透析医学会”の透析液水質基準に準じて、管理しています。
機器管理やメンテナンス
透析室を含め、病院内には数多くの医療機器が配置されています。それらの医療機器が安全に使用できるように、常に日常点検、始業・終業点検、定期点検を行なっております。点検の際は、機器管理システムを利用し、PDA(携帯情報端末)により点検項目を入力し、全て機器管理システム上でデータ管理しています。透析用コンソールの補修・修理等もメンテナンス講習にて習得した技術を基に、臨床工学技士が行なっております。
当院で行える透析療法の種類
オンラインHDF
・・・オンラインHDFは、2012年より保険適応され、“慢性維持透析濾過”の区分に含まれます。通常の透析と比較して中分子~大分子量物質の除去に優れており、皮膚掻痒感や透析アミロイドーシスに伴う関節痛、足のむずむず感(レストレスレグ症候群)などの臨床症状に効果があると言われています。
当院では、オンラインHDF対応の透析コンソールを46台保有しております。以前の装置と比較して、簡便性と安全性が大幅に改善されています。
間歇補充型HDF(I-HDF)
・・・血液透析中に間歇的に透析液を補充することにより、体内での間歇的な末梢循環改善による血液偏流の改善・体液の撹拌・溶質の洗い出しによる除去効率UPが見込まれます。また、透析中に血圧低下が起こりにくくなるなどの臨床効果も報告されています。
アフェレシス療法について
アフェレシス治療は多くの疾患に施行されており、自己免疫疾患や神経疾患、肝疾患、炎症性腸疾患など様々な分野でその効果が報告されています。当院でも数多くのアフェレシス治療を行なっており、様々な疾患に対して対応できるようにしています。