リニアック治療

リニアック

 

当院のリニアックの特長

短い治療時間で高精度な治療を可能にした装置

リニアック リニアック

今回当院に導入したリニアックは、定位照射や呼吸同期照射、VMAT(回転強度変調放射線治療)などが行える高精度放射線治療装置に3種類の画像誘導装置が備わった放射線治療システムです。この治療システムの主な特徴は、「小さい腫瘍や複雑な形状の腫瘍に対して、高度にフィットした照射野を作ることができる」、「照射直前に腫瘍位置のずれを瞬時に計算し,1mm以下の精度で微調整を行うことができる」、「高い出力性能により、治療時間を短縮でき、動きのある腫瘍を高精度に治療することができる」という利点があります。
また今回の高精度放射線治療装置導入と共に頭頚部定位放射線治療システムも導入し、ピン固定による金属フレームは行わず、特殊マスクと画像誘導システムにより短時間で高精度な定位放射線治療を行うことができます。
従来の機能も兼ね備えている汎用機であり、放射線治療が適応となるあらゆる身体部位のがんを治療できます。

特徴1:小照射野治療が可能

2.5mm幅のマルチリーフコリメータを備え、腫瘍に対して高度にフィットさせた小さな照射野を形成し、周囲の正常組織にあたる放射線の量を抑えた定位放射線治療(ピンポイント照射)を可能にしました。

リニアック

特徴2:呼吸同期照射

呼吸同期照射

肺や肝臓にある腫瘍が呼吸によって動くため、呼吸のタイミングに合わせて 治療を行う事ができる呼吸同期照射が可能になりました。呼吸移動対策として、 毎回同じ位相での息止めや固定具などを使用して腫瘍の移動を抑制し照射する方法と自由呼吸下で特定の呼吸位相において、照射を行う方法があり、患者の状態に合わせて適切な方法を選択します。

特徴3:FFF(高線量率モード)

FFF(高線量率モード)

フラットニングフィルタという放射線の分布を平坦にするフィルターを取り除くことで放射線の減弱を防ぎ、高線量率での照射が可能になります。線量率の増加は治療時間の短縮を可能にし、脳定位放射線治療や肺や肝臓の体幹部定位放射線治療などの高精度放射線治療を短時間で終わらせることができます。

特徴4:充実した画像誘導システム

リニアック

画像誘導装置が3種類装備されており、治療部位に合わせた撮影方法を選択して正確な位置照合が可能になりました。
イメージング機能は 2D、3D、4D から組み合わせることができるため、柔軟性とカスタマイズ性の両方に優れたイメージングを実施できます。

【主な撮影方法】
  • KV撮影システムによるコーンビームCT撮影
  • 呼吸同期による透視撮影やシネMV撮影
  • 床に埋め込まれた2方向X線撮影

 

リニアック

2方向からのX線撮影システムと赤外線カメラにより計画上の患者さんの位置と、実際の患者さんの位置の差を瞬時に計算し、そのずれを修正することができる

特徴5:6軸ロボティックカウチ

リニアック

画像誘導システムにて治療直前や治療中に取得したX線画像やCT画像から照射位置のずれを検出し、治療寝台の位置を動かすことで精密な位置合わせを行うことができる6軸ロボティックカウチを搭載しました。
頭足、腹背、左右方向を0.1mm、それぞれの3方向の回転成分を0.1°単位で補正することにより、非常に高精度な照射位置の再現が可能です。

 

リニアック

特徴6:フレームレス脳定位放射線治療

リニアック

3層式の低侵襲な脳定位照射専用の固定マスクと、高度な位置誘導システムによって、ピンポイントで放射線ビームを正確に集中させる治療です。
フレームベースピン固定による定位放射線治療に代わって、専用マスクと2方向からのX線撮影システム、6軸ロボティックカウチを用いた治療により、1mm以内の 精度で治療を行います。数ミリ大の微小病変から大きさが3cmを超え、ガンマナイフ治療の適応外の病変まで治療が可能になります

【固定法の違い】

フレーム固定 フレーム固定

  • 装着してから治療終了まで数時間装着
  • 先のとがった4つのピンで頭蓋骨に固定
  • (侵襲的な固定方法)

  • 治療終了まで取り外し不可
  • 高い照射位置精度

 

専用マスクシステム 専用マスクシステム

  • 治療中約20分の装着時間
  • 取り外し可能
  • (非侵襲的な固定方法)

  • 分割照射が可能
  • 画像誘導システム併用で高い照射位置精度
古賀病院21 放射線治療センター
0942-38-2731(直通)
予約受付時間:月~金(祝日除く) 8:30~17:00