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令和元年度 古賀病院21 病院指標
令和元年度 古賀病院21 病院指標
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | - | 64 | 67 | 97 | 230 | 359 | 961 | 1421 | 953 | 214 |
集計の定義
- 令和元年度に退院された患者様の年齢階級別の退院患者数です。
- 各年代は入院日時点のものです。
- 90歳以上についてはまとめています。
- 患者数が10件未満の場合は「-」としています。
実績について
整形外科・泌尿器科・耳鼻咽喉科の診療・手術に引き続き力を入れていきます。また、包括的がん診療体制の質の向上を目指し、PETセンターでの癌の早期発見をはじめとして、泌尿器科におけるダヴィンチ手術など高度な手術療法とともに放射線療法、化学療法など最適な治療が行われる体制の整備に努めています。
高齢化が進み、70歳以上の患者さんの入院が引き続き50%を超え、90歳以上の患者さんの増加も目立つようになってきました。整形外科診療では高齢者の骨折入院も多くなっていますが、手術療法とともに元気な社会復帰を目指し急性期・回復期のリハビリテーションを積極的に行っています。
高齢心不全、腎不全患者さんへのリハビリテーション、耳鼻科での補聴器・難聴外来、睡眠時無呼吸症候群の鼻マスク治療を行っているのも大きな当院の特徴です。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
集計の定義
- 各診療科別にDPC14桁分類の患者数の多い症例数上位5つについて『DPCコード』『DPC名称』『患者数』『平均在院日数(自院)』『平均在院日数(全国)』『転院率』『平均年齢』をお示ししています。
- 入院中に転科があった場合には医療資源を最も投入した傷病を担当された診療科で集計しています。
- 『転院率』は各『DPCコード』の「転院患者数/全退院患者数」です。
- 『患者数』が10件未満の場合、『平均在院日数(全国)』以外は「-」としています。
- 『平均在院日数(全国)』以外が全て「-」となっている診療科においては解説は省略しています。
各名称について
- [1]『DPCコード』⇒診断群分類を表すコードです。病名・治療内容(手術や処置等)の組み合わせにより14桁のコードに振り分けられます。
- [2]『DPC名称』⇒『DPCコード』に対する名称です。
- [3]『患者数』⇒各『DPCコード』に該当する患者数です。
- [4]『平均在院日数(自院)』⇒当院に入院していた日数の平均値です。退院日も入院日数に含みます。
- [5]『平均在院日数(他院)』⇒厚生労働省より公表されている令和元年度における全国DPC対象病院の平均在院日数の平均値です。
- [6]『転院率』⇒各『DPCコード』の当院から他院へ転院された患者さんの割合です。
- [7]『平均年齢』⇒各『DPCコード』に該当する患者さんの年齢の平均値です。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院 日数 (自院) |
平均 在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
160690xx99xx0x | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし | 93 | 34.33 | 19.40 | 30.11% | 82.83 |
160800xx01xxxx | 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 | 93 | 42.33 | 25.94 | 64.52% | 83.91 |
070085xx97xxxx | 滑膜炎、腱鞘炎、軟骨などの炎症(上肢以外) 手術あり | 73 | 19.47 | 13.35 | 0.00% | 67.22 |
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 68 | 43.49 | 23.56 | 0.00% | 75.10 |
160610xx01xxxx | 四肢筋腱損傷 靱帯断裂形成手術等 | 64 | 24.44 | 17.74 | 10.94% | 70.72 |
- 傷病別で見てみますと、高齢化に伴う骨粗鬆症の影響で発症する脊椎骨折と大腿骨近位部骨折が同数で最多となっております。
3番目は滑膜炎、腱鞘炎、軟骨などの炎症となりました。
4番目は、膝人工関節置換術です。これらの在院日数は全国平均より長くなっておりますが、これは当院が回復期病棟を有しているため、しっかりリハビリを行い、自宅へ退院される患者さんが多いためです。四肢筋腱損傷 靱帯断裂の患者さんが、入院患者数の5番目となっております。
耳鼻咽喉科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院 日数 (自院) |
平均 在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 176 | 5.25 | 6.80 | 0.57% | 38.91 |
030400xx99xxxx | 前庭機能障害 手術なし | 16 | 6.69 | 5.01 | 6.25% | 69.63 |
030230xxxxxxxx | 扁桃、アデノイドの慢性疾患 | 12 | 6.83 | 7.80 | 0.00% | 29.50 |
030340xxxxxxxx | 血管運動性鼻炎、アレルギー性鼻炎<鼻アレルギー> | - | - | 5.87 | - | - |
030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし | - | - | 5.45 | - | - |
- 入院患者のほとんどが慢性副鼻腔炎に対する鼻手術目的の入院症例で、この中には鼻中隔弯曲症やアレルギー性鼻炎合併例が多く含まれています.当科で鼻手術をうける年齢は若い方が多く、10代が最も多い結果になっています。10代の中でも14歳が最多となっており,重症の方は小学5年生以上から手術を施行しています。
皮膚科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院 日数 (自院) |
平均 在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
080020xxxxxxxx | 帯状疱疹 | 32 | 10.81 | 9.00 | 0.00% | 68.91 |
080010xxxx0xxx | 膿皮症 手術・処置等1なし | 18 | 17.22 | 12.55 | 5.56% | 59.22 |
080080xxxxxxxx | 痒疹、蕁麻疹 | - | - | 6.36 | - | - |
070560xx99x00x | 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 15.48 | - | - |
080007xx99xxxx | 皮膚の良性新生物 手術なし | - | - | 3.82 | - | - |
- 帯状疱疹は比較的重症度の高い場合は、帯状疱疹後神経痛の合併を防ぐためにも積極的に入院の上、抗ウィルス薬の点滴及び除痛を行っています。
蜂窩織炎などの細菌感染症は患部の安静が必要なこともあります。症状によっては入院の上抗生剤の点滴を行い,糖尿病をはじめとする合併症を持つ患者様の場合、他科との連携の上治療を行います。
泌尿器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院 日数 (自院) |
平均 在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
110080xx991x0x | 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし | 255 | 2.07 | 2.49 | 0.00% | 69.45 |
11012xxx020x0x | 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 副傷病なし | 110 | 4.91 | 5.61 | 0.91% | 66.87 |
110070xx0200xx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 90 | 5.37 | 7.07 | 2.22% | 75.38 |
110200xx02xxxx | 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 | 74 | 6.99 | 8.52 | 1.35% | 73.95 |
110060xx99x20x | 腎盂・尿管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等22あり 副傷病なし | 58 | 2.98 | 10.84 | 3.45% | 72.91 |
- 当院で最も多い症例は前立腺生検です。前立腺生検でがんの有無を確認し、がんと診断されたものは放射線治療や化学療法・ホルモン療法、手術を適宜行います。2019年度の前立腺癌に対する手術療法は全てロボット手術(ダ・ヴィンチ手術)で行いました。
また、当科が特に力を入れている膀胱鏡・内視鏡手術症例が上位となっており、早期社会復帰を目指す治療を行っており合併症発生も低く抑えることが出来ている為、短い入院となっています。
呼吸器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院 日数 (自院) |
平均 在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり | 193 | 2.00 | 2.03 | 0.00% | 56.95 |
040040xx99040x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし | 57 | 10.84 | 9.59 | 0.00% | 73.12 |
040110xxxxx0xx | 間質性肺炎 手術・処置等2なし | 33 | 30.03 | 18.84 | 18.18% | 74.42 |
040040xx9910xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし | 31 | 2.74 | 3.34 | 0.00% | 75.26 |
040081xx99x00x | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 29 | 24.79 | 20.84 | 27.59% | 83.86 |
- 当院呼吸器内科の入院診療では、肺癌、間質性肺炎など専門性の高い疾患の診断、治療を積極的に行っています。
また、近隣のかかりつけ医から肺炎の紹介にも対応しています。いびきや昼間の眠気を引き起こす睡眠時無呼吸症候群の検査・鼻マスク(CPAP)治療も積極的に行っています。
循環器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院 日数 (自院) |
平均 在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
050130xx99000x | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 38 | 20.95 | 17.71 | 15.79% | 82.97 |
050130xx9901xx | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり | - | - | 19.44 | - | - |
050130xx99020x | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし | - | - | 24.43 | - | - |
050180xx99xx0x | 静脈・リンパ管疾患 手術なし 副傷病なし | - | - | 14.04 | - | - |
050070xx99000x | 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 7.56 | - | - |
- 当院の循環器内科の特徴は心臓リハビリです。最近では心不全患者の高齢化が問題になっています。高齢者の場合は整形外科疾患や別の内部障害(腎障害・貧血・脳梗塞など)を重複している場合が多く、自宅退院するためには自宅で生活できるレベルまでのリハビリや生活環境整備が必要です。
当院では心臓病への運動療法のほか、自宅退院を目指しての取り組みをおこなっており、心リハ目的の転院も受け入れています。
腎臓内科(人工透析)
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院 日数 (自院) |
平均 在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
110280xx99000x | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 35 | 14.49 | 11.67 | 2.86% | 68.23 |
110280xx02x1xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等21あり | 26 | 49.42 | 36.04 | 15.38% | 72.31 |
110280xx02x00x | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 副傷病なし | 22 | 14.82 | 8.48 | 0.00% | 71.05 |
180040xx97x1xx | 手術・処置等の合併症 手術あり 手術・処置等21あり | 12 | 30.67 | 32.87 | 16.67% | 75.17 |
110260xx99x0xx | ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2なし | 10 | 28.60 | 20.93 | 10.00% | 70.50 |
- 慢性腎臓病保存期には栄養指導をはじめ他職種が関わる慢性腎臓病教育入院を積極的に取り組んでいます。
尿検査異常、進行する腎機能障害などの症例に対して、腎生検を実施し確実な診断をつけ治療を行っています。末期腎不全の患者さんの透析導入準備として内シャント造設術(グラフト症例を含む)を行っています。
また透析患者さんのシャントトラブルに対してのバルーンカテーテルを用いての拡張術も実施し、緊急の患者さんにも対応しています。
消化器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院 日数 (自院) |
平均 在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xx0x | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし | 71 | 2.45 | 2.63 | 0.00% | 68.14 |
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし | 19 | 9.68 | 9.79 | 0.00% | 79.37 |
060020xx04x0xx | 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2なし | 14 | 8.29 | 8.27 | 0.00% | 75.71 |
060100xx01xx1x | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病あり | - | - | 3.57 | - | - |
060130xx02000x | 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 内視鏡的消化管止血術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 8.73 | - | - |
- 消化器内科の入院患者数で1番多いのは小腸大腸の良性疾患であり、2番目は胆管結石やそれに伴う胆管炎の患者さんです。
いずれも主に内視鏡的治療を行っています。
平均在院日数は全国平均より短めとなっています。
消化器外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院 日数 (自院) |
平均 在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 39 | 6.38 | 4.85 | 0.00% | 68.82 |
040040xx9900xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 10 | 44.70 | 14.62 | 0.00% | 78.20 |
060040xx02000x | 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 10 | 16.90 | 15.48 | 0.00% | 67.20 |
060035xx01000x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 15.02 | - | - |
060330xx02xxxx | 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 | - | - | 6.37 | - | - |
- 肺の悪性腫瘍が2番目に多いのは緩和ケアに入棟する患者さんも入っているからです。緩和ケアの前の一般病棟での入院は消化器外科として取り扱います。その為平均在院日数は緩和ケア病棟の日数を含み、44.7日と全国平均より大幅に長くなっているように見えます。
- 胆嚢良性疾患の手術は、腹腔鏡下胆嚢切除を第一選択としています。総胆管への落下結石を疑う場合は術前に消化器内科によって内視鏡的治療(EST)を行った後に腹腔鏡下胆嚢切除を行っております。
- 結腸癌の66%の症例に対して腹腔鏡下で手術を行なっています。切除部位にもよりますがおおよそ3時間、出血量も50cc以内で手術を終えています。
- 胆嚢癌の抗癌剤治療はジェムザ-ル、シスプラチンを使用したレジメを使用しています。
神経内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院 日数 (自院) |
平均 在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
010060x2990400 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 | 11 | 24.82 | 19.66 | 27.27% | 69.91 |
010160xx99x00x | パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 17.72 | - | - |
010060x2990401 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 | - | - | 16.13 | - | - |
010060x0990200 | 脳梗塞(脳卒中発症4日目以降又は無症候性、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 | - | - | 20.85 | - | - |
010090xxxxx00x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり | - | - | 14.46 | - | - |
- 脳神経内科では脳梗塞やパーキンソン病、多発性硬化症などの治療を中心に行っています。
脳梗塞の急性期治療後は回復期リハビリ病棟に転棟して頂いてリハビリテーションを継続することで、患者さんの在宅復帰やQOL向上に努めています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
5大癌 | 初発 | 再発 | 病期分類 基準 (※) |
版数 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 16 | - | - | 13 | - | 14 | 1 | 8版 |
大腸癌 | - | 11 | - | 20 | - | 40 | 1 | 7,8版 |
乳癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8版 |
肺癌 | - | - | 25 | 35 | 24 | 112 | 1 | 8版 |
肝癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8版 |
- 5大癌のUICC病期分類別の患者数です。
UICC病期分類とは
- 国際対がん連合(UICC)によって定められたTNM分類を用いてがんの進行度合い、いわゆる病期(Stage)を図る指標です。TNM分類はTが「原発腫瘍の拡がり」、Nが「所属リンパ節転移の有無と拡がり」、Mが「遠隔転移の有無」を表しており、このTNMの組み合わせによりStage0~Ⅳに分けることが出来ます。
集計の定義
- 繰り返し入退院される患者さんは1入院のたびに1件とカウントします(同じ患者さんがH30年度に3回入退院された場合は3件となります)。
- Stageが「0」のものは集計対象外としています。
実績について
- 「-」を含んだ初発・再発の全件数は胃癌55件、大腸癌94件、乳癌2件、肺癌202件、肝癌15件、計368件です。
- 当院の症例を病期分類で見てみると、消化器系癌は早期癌から進行癌まで、肺癌は進行癌の割合が多いことが分かります。
当院では、医師(外科・内科・放射線科)、検査技師、系列病院との連携や最新の医療機器の導入で迅速かつ正確に診断、治療の決定が可能なことから、このような割合となります。 - 当院の胃癌治療は、ガイドラインに準じて、内視鏡的治療か外科的治療を決定します。
早期胃癌の外科的治療では、完全鏡視下の腹腔鏡下手術、進行胃癌は、開腹手術を行っております。 - 大腸癌は、粘膜内癌、粘膜下層への軽度浸潤癌の場合は内視鏡的切除術を行います。
外科的治療では85%を腹腔鏡下手術で行っております。特に肛門近くに病巣があるような高難度手術(直腸超低位前方切除術や内肛門括約筋切除術)は腹腔鏡手術が適している症例が多く、積極的に行っております。また、膀胱や尿管に浸潤した症例は泌尿器医師と連携して安全に手術を行っております。 - 肺癌診療は、内科および放射線科による検査、治療を行っております。Ⅲ期の化学放射線療法、Ⅳ期および術後再発の化学療法、分子標的薬による治療が主体となります。新古賀病院呼吸器外科と連携しており術前後の放射線治療および化学療法も行っております。最近は免疫チェックポイント阻害剤の治療も増えています。
- また、乳癌では術後放射線療法を外来で行っております。
肝癌では、肝動脈塞栓療法や対症療法を行っております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
重症度 | 患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 |
---|---|---|---|
軽症 | 14 | 9.36 | 60.57 |
中等症 | 87 | 16.64 | 77.46 |
重症 | 19 | 15.32 | 79.05 |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
- 成人の市中肺炎の重症度別患者数です。日本呼吸器学会成人市中肺炎診療ガイドライン肺炎重症度分類(A-DROPシステム)の定義に基づき、入院時の状態から重症度を決定し、それぞれ「患者数」「平均在院日数」「平均年齢」を算出しています。
<A-DROPシステム>
- 1.男性≧70歳、女性≧75歳
- 2.尿素窒素≧21 または脱水
- 3.酸素飽和度≦90%
- 4.意識障害
- 5.収縮期血圧≦90mmHg
- 軽 症:1~5いずれも満たさない
- 中等症:1つまたは2つを有する
- 重 症:3つを有する
- 超重症:4つまたは5つまたはショック
- 不 明:1~5のうち1つでも不明であったもの
集計の定義
- 入院の契機となった傷病名と最も医療資源を投入した傷病名に対するICD-10コードが「J13~J18$」で始まるものが対象です。
実績について
- 当院呼吸器内科では、市中肺炎はかかりつけ医からの紹介を主としています。
軽症、中等症でも外来治療で治療に難渋したものが紹介されるため、これらの割合が比較的多くなっています。肺癌、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患がその次に多い疾患です。
脳梗塞のICD10別患者数等
ICD10 | 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|---|
I63$ | 3日以内 | 24 | 29.75 | 71.50 | 19.35% |
その他 | - | - | - | - |
- 脳梗塞等の分類にあたる患者さんをICD-10コード別に集計しています。
集計の定義
- 発症日から「3日以内」「その他」に分けて集計しています。
- 『転院率』は各『ICD10』の患者さんの転院患者数/全退院患者数です。
ICD-10とは
死因や疾病の国際的な統計基準として世界保健機関(WHO)によって公表されている分類です。死因や疾病の統計等に関する情報の国際的な比較や、医療機関における診療記録の管理などに活用されます。
実績について
当院は一般病棟に加え回復期リハビリ病棟を併設している為、脳梗塞の急性期治療後は回復期リハビリ病棟に転棟して頂き、できるだけ自宅や施設へ退院できるようチーム医療に取り組んでいます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
集計の定義
- 各診療科別に手術件数の多い上位5つの術式について集計しています。各術式における『Kコード』『名称』『患者数』『平均術前日数』『平均術後日数』『転院率』『平均年齢』をお示ししています。
- 令和元年度に退院された患者さんが対象の為、外来中に行われた手術については集計対象外です。
- 全て「-」となっている診療科においては解説は省略しています。
各名称について
- [1]『Kコード』⇒手術術式の診療点数表コードです。術式に対し『Kコード』が付与されるようになっており、このコードは全国共通です。
- [2]『名称』⇒『Kコード』に対する名称です。
- [3]『患者数』⇒各『Kコード』に該当する患者数です。
- [4]『平均術前日数』⇒入院日から手術日までの日数の平均値です。手術日当日は除きます。
- [5]『平均術後日数』⇒手術日から退院日までの日数の平均値です。手術日当日は除きます。
- [6]『転院率』⇒各『Kコード』の当院から他院へ転院された患者さんの割合です。
- [7]『平均年齢』⇒各『Kコード』に該当する患者さんの年齢の平均値です。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K0821 | 人工関節置換術(肩,股,膝) | 117 | 2.67 | 39.39 | 5.98% | 73.82 |
K0461 | 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) | 85 | 7.53 | 34.92 | 52.94% | 81.88 |
K1426 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) | 69 | 4.45 | 34.30 | 7.25% | 67.97 |
K076-21 | 関節鏡下関節授動術(肩,股,膝) | 59 | 1.36 | 17.86 | 1.69% | 69.19 |
K066-21 | 関節鏡下関節滑膜切除術(肩,股,膝) | 48 | 1.94 | 14.50 | 0.00% | 67.38 |
- 当院の手術患者数は昨年度1052例でした。
- 人工関節置換術(肩,股,膝)が1番目となっています。2番目は骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿)となり主に骨折の手術が最多です。3番目は脊椎手術です。2019年1月より経皮的椎弓根スクリューを用いた固定手術、2020年5月から脊椎内視鏡手術を開始し、低侵襲化に努めております。4、5番目は関節鏡で手術を行います。
他に末梢神経関節関係の手術も多く、多彩な疾患に対応出来ることが当院の特徴の一つになっております。また当院は回復期病棟を有してるため手術後、継続してリハビリを行い自宅退院を目指すことも可能です。このため、すべての手術症例で転院率はかなり低くなってます。
耳鼻咽喉科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) | 141 | 0.53 | 3.74 | 0.71% | 36.57 |
K340-6 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) | 31 | 0.68 | 3.68 | 0.00% | 49.42 |
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 14 | 0.64 | 4.86 | 0.00% | 30.29 |
K347-5 | 内視鏡下鼻腔手術1型(下鼻甲介手術) | - | - | - | - | - |
K318 | 鼓膜形成手術 | - | - | - | - | - |
- 鼻副鼻腔疾患(慢性副鼻腔炎、嚢胞、腫瘍など)に対する内視鏡下鼻・副鼻腔手術3・4型が多い結果となっています。重症の鼻炎に対する経鼻腔的翼突管神経切除術(後鼻神経切断術)や内視鏡下鼻腔手術1型(下鼻甲介手術)、鼻中隔弯曲症に対する鼻中隔矯正術は副鼻腔手術と併用して行う事が多く、2019年度はそれぞれ39例,137例、126例に同時に行いました。詳細は耳鼻科ホームページに掲載しています。
泌尿器科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) | 139 | 1.43 | 3.54 | 3.60% | 76.27 |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 122 | 0.78 | 3.60 | 8.20% | 71.36 |
K7811 | 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) | 104 | 1.76 | 2.39 | 0.96% | 67.53 |
K841-22 | 経尿道的レーザー前立腺切除術(その他) | 71 | 1.39 | 4.52 | 1.41% | 74.01 |
K843-4 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) | 50 | 1.96 | 8.96 | 0.00% | 67.48 |
- ロボット支援手術を含む、膀胱鏡・内視鏡下手術に特に力を入れて治療を行っておりロボット支援根治的前立腺全摘、経尿道的膀胱悪性腫瘍手術が上位となりました。
緊急手術を必要とする感染を伴う尿路結石等の症例も近隣施設より積極的に受け入れており、尿管ステント留置術も多くの症例数となりました。
腎臓内科(人工透析)
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K616-4 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 | 73 | 5.12 | 3.71 | 8.22% | 75.86 |
K610-3 | 内シャント又は外シャント設置術 | 48 | 9.63 | 21.96 | 4.17% | 70.38 |
K6147 | 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) | 14 | 9.00 | 26.93 | 14.29% | 75.64 |
K635 | 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 | - | - | - | - | - |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | - | - | - | - | - |
- 慢性腎臓病保存期には栄養指導をはじめ他職種が関わる慢性腎臓病教育入院を積極的に取り組んでいます。
尿検査異常、進行する腎機能障害などの症例に対し、腎生検を実施し確実な診断をつけ治療を行っています。
末期腎不全の患者さんの透析導入準備として内シャント造設術(グラフト症例を含む)を行っています。また透析患者さんのシャントトラブルに対してのバルーンカテーテルを用いての拡張術も実施し、緊急の患者さんにも対応しています。
消化器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 74 | 1.05 | 1.82 | 0.00% | 68.53 |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 19 | 7.16 | 14.74 | 15.79% | 79.00 |
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) | 13 | 0.15 | 6.08 | 0.00% | 75.08 |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 11 | 1.82 | 10.91 | 0.00% | 75.82 |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) | - | - | - | - | - |
- 消化器内科の内視鏡手術で1番入院患者数が多いのは大腸ポリープ(2cm未満)切除術であり、基本的には入院翌日に退院となります。
2番目に多いのが閉塞性黄疸などに対する内視鏡的ステント留置術です。緊急時は受診当日に行える体制としています。
3番目に多いのは早期胃癌に対する内視鏡治療であり、入院当日に治療を行います。
4番目に多いのは消化管出血に対する内視鏡止血術となっています。
消化器外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 28 | 1.64 | 3.82 | 0.00% | 68.18 |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 20 | 2.75 | 5.00 | 0.00% | 63.60 |
K6335 | 鼠径ヘルニア手術 | 11 | 1.09 | 4.09 | 0.00% | 70.45 |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) | 10 | 5.80 | 9.00 | 0.00% | 71.70 |
K740-21 | 腹腔鏡下直腸切除・切断術(切除術) | - | - | - | - | - |
- 当院での手術症例は、腹腔鏡下ヘルニア根治術、腹腔鏡下胆嚢切除術が多いです。いずれも原則腹腔鏡下で行っております。
ヘルニアに対しては腹膜外アプロ-チ、腹腔内アプロ-チのどちらの方法でも行うことが出来ます。症例によって使い分けております。また前立腺癌術後の症例に関しては、前方アプロ-チ(腹腔鏡下ではないヘルニア根治術)を行っています。 - 胆嚢良性疾患の手術は腹腔鏡下胆嚢切除を第一選択としています。90%以上の症例で腹腔鏡下胆嚢切除を行っております。総胆管への落下結石を疑う場合は術前に消化器内科によって内視鏡的治療(EST)を行った後に腹腔鏡下胆嚢切除を行っております。
- 結腸悪性腫瘍に対しては、腸閉塞や周囲組織への高度浸潤例以外は、腹腔鏡で行っております(結腸悪性腫瘍手術の約6割です。)。膀胱などの浸潤例に対しては術前抗癌剤治療を行い、泌尿器科と共同で手術を行っております。
- 胃癌治療ガイドラインに沿って手術方針を決定していますが、早期胃癌が増えてきており60%の症例に腹腔鏡下胃切除(もしくは胃全摘)を起こなっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|
130100 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | |
180010 | 同一 | 15 | 0.34% |
異なる | - | - | |
180035 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | |
180040 | 同一 | 94 | 2.15% |
異なる | - | - |
集計の定義
- [1]令和元年度(令和元年4月1日~令和2年3月31日)に退院された患者様が対象です。
- [2]その中でも一般病棟の入院期間を1件とします。(例:8/1一般病棟へ入院⇒8/15回復期病棟へ転棟⇒8/25一般病棟へ転棟⇒8/30退院の場合は一般病棟に2回入院してましたので、2件となります。)
- [3]最も医療資源を投入した傷病名のDPC上6桁が「130100」「180010」「180035」「180040」で入院の契機となった傷病名のDPC上6桁と同一の場合と、異なる場合で件数と発生率を算出しています。発生率算出の分母は[2]の全退院患者数です。
実績について
- 全症例に対する敗血症の割合は0.34%でした。
- 処置・合併などの合併症例に関しては合計94件で透析患者さんのシャント狭窄が大半を占めています。
更新履歴
- 2016年9月30日
- 平成27年度病院指標を公開しました。
- 2017年9月30日
- 平成28年度病院指標を公開しました。
- 2018年9月29日
- 平成29年度病院指標を公開しました。
- 2019年9月30日
- 平成30年度病院指標を公開しました。
- 2020年9月29日
- 令和元年度病院指標を公開しました。
指標全てに共通する定義
※各指標による詳細な定義につきましては各指標のページで解説します。