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部門紹介(新古賀病院)
臨床検査課
部門長あいさつ
- 臨床検査課 統括課長 野田 哲寛
当院の臨床検査課は、生理機能検査部門・検体検査部門・細菌検査部門・病理部門・採血部門の5部門で構成されております。採血部門は、各部門からのローテーションで担当しています。我々が掲げる部門の方針は、臨床検査を通して法人の理念である「人々の豊かな生涯を支援する医療」を実践することであり、日々、研鑚しています。
臨床検査には、患者さんから採取した血液、尿、便、痰、細胞などを調べる「検体検査」と患者さんを直接調べる心電図、超音波検査などの「生理機能検査」があります。医師は、これらの臨床検査結果により診断、治療、経過観察を正確に判断しますので、臨床検査部門は、高い正確性と迅速性が求められています。よって、臨床検査技師としての高い専門性を得る為、学会・講習会に積極的に参加・発表を行い検査技術・知識の向上に努めております。一方で、常に患者さんと同じ視点から臨床検査を見つめ、より良い臨床検査を実践していくことを心がけております。
生理機能検査部門
患者様の症状に応じて身体の機能を直接的に調べ、可視化する検査です。
直接患者様に接して検査を行うため、患者様とコミュニケーションを図りながら検査を行います。
●スタッフ人数 (2023年4月1日現在)
臨床検査技師(常勤) | 20名 |
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臨床検査技師(非常勤) | 3名 |
受付事務(非常勤) | 2名 |
●資格認定者数 (2023年4月1日現在)
日超医認定超音波検査士(消化器) | 11名 |
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日超医認定超音波検査士(循環器) | 8名 |
日超医認定超音波検査士(体表) | 1名 |
日超医認定超音波検査士(泌尿器) | 1名 |
脳神経超音波学会認定脳神経超音波検査士 | 1名 |
日本心エコー図学会認定技師 | 1名 |
ピンクリボンアドバイザー(上級) | 1名 |
乳がん検診超音波検査実施技師(A評価) | 2名 |
JHRS認定心電図専門士 | 4名 |
植込み型心臓不整脈デバイス認定士 | 1名 |
心電図検定(1級) | 1名 |
2級臨床検査士(循環生理学) | 4名 |
緊急検査士 | 1名 |
●業務内容
心電図、超音波検査、負荷心電図、ABI・CAVI、ホルター心電図、ペースメーカーチェック、呼吸機能検査、睡眠時無呼吸検査(簡易PSG)、脳波、眼底カメラ、神経伝導検査、経食道心エコー検査、負荷心エコーなど。
また、検査室以外で行われる循環器科での心臓カテーテル治療やアブレーション治療、脳神経外科や心臓血管外科での術中神経モニタリングなどの検査も行っています。
○超音波検査について
超音波検査は侵襲性のない画像検査です。
検査での禁忌事項は特にありませんが、検査での息止めや体位変換、腹部超音波検査を受ける前の絶食などをお願いしています。
超音波検査を行う主な領域は、腹部、心臓、血管系(頸動脈、上肢動静脈、内シャント、頭蓋内血管など)、甲状腺、乳腺(女性のみで検査)などがあります。
検体検査部門
●臨床検査室●
身体から排泄される尿や便、採取される血液、その他の液状検体(脳脊髄液、体腔液など)から、身体の機能や状態を調べる「検体検査」を行っています。
診察前検査として、検体到着後60分以内に結果報告するよう努めています。
当検査室は、生化学・免疫・血液・一般・輸血検査の部門に分かれており、全ての検査が行えるようにローテーション制を採用しています。
●スタッフ人数 (2023年4月1日現在)
臨床検査技師(常勤) | 9名 |
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●資格認定者数 (2023年4月1日現在)
日本糖尿病療養指導士 | 1名 |
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二級臨床検査士(血液学) | 3名 |
緊急検査士 | 3名 |
●業務内容
【生化学・免疫検査】
生化学検査では、血液や尿などに含まれる蛋白や酵素、脂質、ミネラルなどの成分を測定しています。
免疫検査では、甲状腺ホルモンや腫瘍マーカー、感染症検査、心筋マーカーなどを測定しています。
様々な検査項目から総合的に判断し、病態の診断や治療の判定などに利用されます。
【血液検査】
血液中の血球算定や白血球分類などの検査を行っています。血液疾患の診断や貧血、感染症、出血などのスクリーニング検査として有用です。
異常が見られた場合は、臨床検査技師が塗抹標本を作製し、顕微鏡にて目視判定を行っています。
出血・血栓性疾患の病因や病態把握、治療効果の判定として行われる凝固・線溶検査も行っています。
【一般検査】
尿中の糖・蛋白や潜血などを調べる尿定性検査や尿中の細胞や細菌などの有形成分の量や種類を調べる尿沈渣の検査を行っています。腎・泌尿器系疾患だけでなく、全身性の各種疾患のスクリーニング検査として有用です。
便潜血検査、肺炎球菌・レジオネラなどの迅速診断検査、精液検査なども行っています。
【輸血検査】
血液型検査、不規則抗体検査、交差適合試験の検査を行っています。全自動輸血システムを導入し、輸血を必要とする場合、安全・迅速に血液製剤を準備する体制が整っています。
●当直業務
24時間検査が行えるようになっており、緊急輸血や緊急手術の検査などにも対応しています。
●その他
チーム医療として、糖尿病教室やNST(栄養サポートチーム)などの院内活動にも参加しています。
●病理検査室●
手術や検査で採取した臓器や組織などから標本を作り、診断を行います。
当院での病理業務は大きく組織診と細胞診に分けられます。
また、検体検査の当直業務にも月2回ほど入り、採血業務も行っています。
●スタッフ人数 (2023年4月1日現在)
病理医(常勤) | 1名 |
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臨床検査技師(常勤) | 7名 |
●資格認定者数 (2023年4月1日現在)
細胞検査士 | 6名 |
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●業務内容
【組織診】
内視鏡検査で採取した胃や大腸・肺などの生検検体や手術検体に対して検査技師が標本作製(検体処理・包埋・薄切・染色)を行い病理医による病理診断を年間約6,000件行っています。
術中迅速診断は年間約250件で主に乳腺検体を多く取り扱っておりOSNA法(直接遺伝子増幅法)も実施しています。切り出し室はホルマリン対策を行い作業環境測定値0.01ppm以下で第1管理区分(適切)を維持しています。また、近年がんに対する薬剤適応判定の補助を目的とした検査に重要とされる固定や管理を徹底し、患者さんに有用な検査が出来るようスタッフ一同取り組んでいます。
【細胞診】
当院では婦人科や泌尿器科をはじめ呼吸器・体腔液など年間1万件以上の診断を病理医(細胞診専門医)とともに行っています。必要に応じLBC標本やセルブロックの作成も行い診断の向上に努めています。
●細菌検査室●
●スタッフ人数 (2023年4月1日現在)
臨床検査技師(常勤) | 4名 |
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●資格認定者数 (2023年4月1日現在)
二級臨床検査士(微生物学) | 1名 |
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認定臨床微生物検査技師 | 2名 |
感染制御認定臨床微生物検査技師 | 2名 |
●業務内容
細菌検査は検査材料中(痰や膿など)の病原菌の有無を調べる検査で、細菌感染を起こしているのかどうか?感染を起こしているとしたらその原因となっているのはどのような菌なのかなどを知るために行います。主な検査方法には塗抹検査、培養・同定検査、薬剤感受性検査があり、目的に合わせて選択あるいは併用しながら進めていきます。
【塗抹検査】
検査材料をスライドガラスに薄く塗抹し、細菌を赤色または濃紫色に染めてその色や形と細胞による貪食(炎症細胞が菌を食べているところ)などを顕微鏡で観察します。
【培養・同定検査】
検査材料(痰や膿など)や目的とする菌に合わせて様々な寒天培地を使い分け、培養し細菌の種類を調べます。
【薬剤感受性検査】
感染を起こしていると思われる菌が検出された場合、その菌に対して効果が期待できる抗菌薬を調べるための検査です。この結果によって最適な抗菌薬が選択され、治療が行われます。
【血液培養検査】
非常に重要な細菌検査のうちの一つです。当法人は最新の血液培養自動分析器を導入しており、検体提出から菌検出までの時間が短縮でき、適正な抗菌薬による治療が行えます。そのほか院内で検査を行うメリットは問題になっている多剤耐性緑膿菌(MDRP)やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの薬剤耐性菌の検出を把握し、院内感染対策をスムーズに行うことで、伝播を最小限に抑えることを目的としています。
【PCR検査】
検体材料中にいるウイルスなどの病原体の遺伝子を抽出し、増幅させて検出する検査法です。
新型コロナウイルス感染症の流行と共に広く認知された検査です。
当検査室では複数のPCR検査機器を導入しており、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを同時に検査することが可能な機器も採用しています。
【全自動遺伝子解析装置FilmArray 呼吸器パネル2.1】
本検査は、鼻腔咽頭拭い液からインフルエンザウイルスやコロナウイルス、マイコプラズマ、百日咳菌などの21種類の呼吸器病原体を、約45分で網羅的に検出できます。この検査は類似する初期症状を呈する呼吸器感染症の鑑別診断と迅速な治療方針の決定などに貢献できます。
●その他
チーム医療として、感染対策チームや抗菌薬適正使用支援チームなどの活動にも参加しています。
【感染対策チーム(ICT)】
患者さんに安心して当院をご利用していただくために、医師や看護師、臨床検査技師、薬剤師などの多職種で適切な感染対策を管理する実働チームです。
当院のICT担当臨床検査技師は毎週の院内巡回や感染症発生状況の把握、全国サーベイランスへの参加、感染対策マニュアルの作成と改訂などを実施しています。
【抗菌薬適正使用支援チーム(AST)】
適切な抗菌薬の使用により感染症の治療効果を高め、近年問題となっている薬剤耐性微生物の出現を 抑えるために、医師や臨床検査技師、薬剤師、看護師などの多職種が連携して支援するチームです。
当院では患者さんに最適な抗菌薬を投与するために毎週ASTでカンファレンスを行なっています。