こがねっと。Vol.24
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看護師として患者さんを注意深く見ながら入院生活をサポ�トしています�﹁治ればおわり﹂ではない患者さんの人生を左右する急性期病棟の現場� 脳神経外科の患者さんで多くみられる障害は、麻痺の残る運動障害です。他にも、高次脳機能障害といって言語や記憶、認知能力の障害が現れる方もいらっしゃいます。高次脳機能障害は、ご家族から見ても何の変化も無いように感じられるかもしれません。しかし、実際には記憶や思考、判断をするなどの高次脳機能に障害が起こっており、料理をしていて火を消さずにそのまま離れてしまうなど、見逃せば大きな事故に繋がりかねない障害でもあります。運動障害と違って傍目から分かりづらいため、患者さんの状態を注意深く見ながら日々の生活をサポートしています。多職種で連携し、実際に帰宅された際に注意すべき点などを主治医からご家族に丁寧に伝えています。 患者さんにとって自分の身に起こった障害はなかなか受け入れがたいものです。車イスを利用されるなど、お手洗いに看護師の付き添いが必要な場合でも、ナースコールを押さずに起き上がり、転倒に繋がるというケースもあります。突然のことで、自分でできるという意識から離れられずにいらっしゃるのです。「なぜ体が動かないのだろう?」と戸惑われる方には、病気や身体の状態について繰り返し説明させていただいています。 退院後も、患者さんは後遺症と付き合いながら生活をしなければなりません。入院中の日常的な動作では少しでも動かせる部分があれば、ご自身の意思で動かしてもらい、必要に応じて補助をすることを心掛けています。❼脳神経外科疾患の患者さんは、様々な身体機能の障害を抱えています。 患者さんの日々の変化に対応しながら、各分野の専門スタッフが知識と情報を共有し、連携のとれた医療を提供しています。「脳神経外科治療」田中 瑞葵(たなか みずき) ■新古賀病院 / 東館7階病棟 看護師 リーダーMedical STAFF 1

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