こがねっと。Vol.22
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 わが国で、透析を必要とする患者さんは、2019年の統計では、約34万5千人おられ、年々、増加傾向です。近年は、ご高齢かつ、糖尿病の患者さんが、たいへん増えておられます。 貧血や、体液管理、血圧、血糖コントロールをはじめ、透析が長期になるにつれ、心血管をはじめとする全身の血管、臓器障害、低栄養状態、感染症に対する抵抗力の低下、骨関節障害等、さまざまな合併症を引き起こす危険性が高まります。そのため、透析治療に関しては、各診療科の先生方との連携が必要不可欠です。天神会には多くの診療科があり、連携できる環境が整っており、各診療科の先生方にたいへんお世話になっております。 高齢化にともない、通院自体が困難な患者さんも増えており、当院では送迎支援を行なっています。さらには、入院して維持透析を行える病院の需要というのは、たいへん高まっています。当院では、5月より、透析ベッド4床増床し、計38床の透析ベッドで、現在、30名強の入院患者さん、56名の外来患者さん(うち、病院車送迎30名)の透析治療にあたらせていただいております。 血液透析療法とは、患者さんの血液を、ダイアライザー(中空糸フィルターの人工腎臓)に通し、血液の中に蓄積した老廃物をとり除いてきれいにしたり、過剰となった体液水分量をコントロールする治療法です。透析をするには、標準的には、腕の動脈と静脈をつないだ透析内シャントで、シャント血流が増えて拡張したシャント静脈部を穿刺して、血液をとりだし、透析できれいにした血液をまた、シャント静脈から、体に返します。特に、糖尿病や高血圧を基礎疾患とする患者さんの血管は、動静脈とも、硬化が強く、狭窄や閉塞をきたしやすいです。 そのため、血液透析の命綱となるシャントの管理には力をいれています。当院では、シャント血管の狭くなった部分を風船カテーテルで拡張して改善する、経皮的血管形成術という治療も積極的に行っています。 透析を必要とする腎不全の原因疾患としましては、以前は、慢性腎炎の患者さんが多数でしたが、糖尿病の血管障害が進行し、腎不全、透析にいたる患者さんが増えられて、1998年から、原疾患の1位にとってかわり、現在では、透析導入の原疾患の半数近くとなっています。生活習慣病としての糖尿病は、当初は自覚症状に乏しいですが、血糖や高血圧コントロール不良の時期が10数年つづくと、腎不全に至り、さまざまな合併症も来たしやすい、こわい病気です。糖尿病の初期であれば、腎不全を回避することも可能です。健診等で、糖尿病の指摘を受けられたら、しっかりと受け止めて、病院の定期受診や、食事や運動を心がけて、いただけたらと思います。❸腎臓内科(透析療法)の坂田英雄先生にお聞きしました。新古賀リハビリテーション病院 みらい坂田英雄(さかた ひでお) ■新古賀リハビリテーション病院 みらい  腎臓内科(透析療法)プロフィール■日本内科学会・認定医■日本透析医学会・専門医Hideo Sakata患者さんが安定した透析を行うために透析の患者さんの数は年々増加の傾向にあります透析の患者さんの数は年々増加の傾向にあります透析の患者さんの数は年々増加の傾向にあります透析の原因疾患の第一位は糖尿病ですション病院に関するお話」2全38床の透析室にて外来及び入院で透析治療を行ていますション病院 みらい最適な状況で透析を受けられるよう情報共有しています。

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