術者として私が目指しているのは、根治性と機能温存を両立させる医療です。 内視鏡手術もダヴィンチ手術も、お腹の中で行いたいことは同じで、使っている道具を直接手で握っているか、ロボットで遠隔操作しているかの違いです。ダヴィンチ導入で手技の精度は上がりましたが、そもそも術者の私が思い描いて切っている場所が的確でなければ意味がありません。より精密さを重視した手技でないと、ダヴィンチを使う恩恵は得られないのです。 精密な手術が行えているかは、術後の回復具合、血液検査の炎症の程度などでも分かります。実際に内視鏡手術と比べて、回復がやや早いと感じています。 直腸がんの内視鏡手術では、骨盤の奥に行くほど、意図したところに手が届かない場合があります。骨盤の中は狭いので、まっすぐな鉗子を入れても骨に当たってしまい、見えているのに切れないという状況が起こり得るのです。ダヴィンチには多くの関節があるので、鉗子をまっすぐ入れた先で関節を曲げて、今まで簡単に届かなかった場所を正確に切ることができる。非常にダヴィンチの特性が生かされていると思います。❸消化器外科部長の池添清彦先生にお聞きしました。新古賀病院・古賀病院21池添清彦(いけぞえ きよひこ) ■新古賀病院 消化器外科部長 〈消化器外科〉 プロフィール■日本外科学会認定医・専門医・指導医■日本消化器外科学会認定医・専門医■消化器がん外科治療認定医■2019年度医療安全管理者養成 (全日本病院協会、日本医療法人協会)課程修了■Certicate of da Vinci System Training As a First Assistant修了■日本外科学会認定医・専門医・指導医■日本消化器外科学会認定医・専門医■消化器がん外科治療認定医■2019年度医療安全管理者養成 (全日本病院協会、日本医療法人協会)課程修了■Certicate of da Vinci System Training As a First Assistant修了Kiyohiko Ikezoeダヴンチ手術には術者の的確な手技が必要ですダヴンチなら多くの関節を操ることで難しい場所にもメスが届く術者の助手としてダヴィンチ手術をサポートしています。
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