こがねっと。Vol.19
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 近年、発作性心房細動のカテーテル治療で主に採用しているのが、クライオバルーンという風船を使ったアブレーション治療です。カテーテルを左心房に挿入し、中で風船を膨らませて肺静脈の入口部にスポッと当てます。密着させてから中に冷凍窒素ガスを注入すると、風船に当たっている部分が冷凍凝固します。一カ所につき約180秒の冷凍凝固で電気的隔離ができるため、1時間ほどで手術が終了します。患者さんにとっては、手技時間が短く侵襲の低い治療になります。心臓の形によっては適応にならないこともありますので、そのような方は従来のカテーテルアブレーションで治療を行います。 心房細動の根本的治療法はカテーテルアブレーションですが、発症前から活動度が下がってしまっている方には、徹底的治療はあまりおすすめできません。治療により活動度や生活の質が上がるという方がアブレーション治療の適応が高いかと思います。 また心房細動に関しては生活習慣病が因子となっていることが多いため、例えば飲酒量が多い方は飲酒指導から入りますし、体重減量、睡眠時無呼吸症候群に関する説明も含め、治療前にしっかりと生活習慣指導のお話をするようにしています。 アブレーションも多くのスタッフが関わって治療しています。生理機能技師、臨床工学技師、看護師、ドクターで編成された、不整脈治療を担当とするチームです。テクノロジーも大事ですが、バックアップするスタッフも大事で、専門分野に習熟している必要があると思っています。❺風船を使たアブレシンも選択肢のひとつです心房細動の治療には生活習慣病の改善が大きく関わています循環器内科の山部浩茂先生にお聞きしました。新古賀病院 副院長Hiroshige Yamabe山部浩茂(やまべ ひろしげ) ■新古賀病院 副院長 〈循環器内科〉プロフィール■日本内科学会認定内科医■日本循環器学会循環器専門医・指導医■日本不整脈学会認定不整脈専門医■日本不整脈学会植え込み型除細動器施設認定医■日本不整脈学会心臓再同期療法施設認定医■エキシマレーザー心内リード抜去資格をアブレシン治療のに

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