こがねっと。Vol.19
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 TAVIのみではなく、新しい治療を始める際に最も大事なのは、治療を安全に行うことです。大動脈弁狭窄症に関しては、確立された治療として大動脈弁置換術という外科的な方法があり、50年以上の歴史があります。当院の場合、弁膜症に関する手術の急性期死亡率は全国平均の3分の1のレベルです。低侵襲な治療とは言え、外科手術よりも同等かもしくは良好な成績でなければ、治療の意味がありません。もちろん急性期のみではなく、長期的な意味で患者さんにとって有効である治療成績が求められるため、治療に携わるスタッフ一同、身が引き締まる思いでTAVIでの治療を開始いたしました。 TAVIを始めてから循環器内科の先生とも、疾患に関して今まで以上にディスカッションができるようになりました。従来は循環器内科の先生が患者さんに手術の診断をつけ、そのまま外科で手術を行って終了だったのが、内科外科共に、手術後に合併症や心機能がどうなるかなどを含めたところで考える機会が生まれ、メリットを感じています。 手術にあたり、私たちはハートチームを結成しました。循環器内科、心臓外科、麻酔科、心エコーなどの検査をする臨床検査技師、手術前にCT画像の解析などを行う放射線技師、看護師、心臓リハビリの運動療法士、薬剤師、栄養管理士など、多くのスタッフで構成されています。専門知識を持つスタッフが集まり、治療に関するさまざまなことをディスカッションして、患者さんお一人お一人に有効な治療方針を決定しています。❸大動脈弁狭窄症治療に携わるスタフ全員が強い思いで取り組んでいます循環器内科の医師と疾患についてより深く学べるようになりました循環器内科主任部長の古賀久士先生にお聞きしました。新古賀病院Hisashi Koga古賀久士(こが ひさし) ■新古賀病院 循環器内科主任部長  〈循環器内科〉プロフィール■日本内科学会総合内科専門医■日本内科学会認定医■日本循環器学会専門医■日本心血管インターベンション治療学会専門医■「ペーシングによる心不全治療」「植込み型除細動器」研修履修 (日本不整脈学会)「大動脈弁狭窄症に関するお話」2しく「正知る」ということTranscatheter AorticValve Implantationによてよりにのない治療のがに

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