こがねっと。Vol.14
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肺がんに限りませんが、がんは遺伝子の異常の病気なんです。遺伝子の異常が積み重なって、病気を発症します。 がん細胞の中には、そのがんが増殖したり生存するために大きく依存している遺伝子があり、多くの場合、その遺伝子が変異を起こすことで、がんが活発に動いてしまいます。この遺伝子の変異が、がんを無秩序にどんどん増やすスイッチになっていて、そのスイッチを切れば、がんの増殖が止まる。そういったスイッチは、肺がんではいくつか判明しています。このスイッチを抑えるための薬を「分子標的薬」と言いますが、スイッチに当てはまる遺伝子変異がある方には、これが治療の初回の選択肢になります。基本的に化学療法では、まず切り札から使っていくというのが原則だからです。つまり、効果が一番高い薬からどんどん使っていきます。スイッチが見つからない人たちは、従来の抗がん剤治療になります。 従来の抗がん剤は、がん細胞そのものを攻撃しますが、正常な細胞も区別なく攻撃します。がん細胞も正常な細胞も壊れていく。それが副作用として出てきます。でも分子標的薬を使える人たちというのは、この薬がスイッチにあたる遺伝子だけに薬が劇的に作用するので、比較的副作用は軽度で、がんで体調が悪い場合でも治療にチャレンジできる可能性があります。ただ実は、この遺伝子変異がんを増殖するスイッチになっている、というのがしっかりわかっているのは、今のところ、固形がんに関しては肺がんくらいしかありません。 今話題の免疫療法は、肺がんについ〈化学療法〉化学の力でがん治療を目指す❼がんが増える﹁スイチ﹂を薬で抑える自分のなかの免疫細胞でがんを攻撃国立がん病院や大学病院、治療開発(新薬の臨床試験)などを経験し、2018年4月に新古賀病院の呼吸器内科へ就任。培ってきた知識と経験でがん治療に大きく貢献している。「化学療法のお話」しく「正知る」ということ外科の先生と議論をしながら、知識を活かした化学療法を提供しています。山田一彦(やまだ かずひこ) ■新古賀病院 呼吸器内科主任部長プロフィール● 日本内科学会認定内科医● 日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医● 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医● 日本臨床腫瘍学会指導医HERAPY
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