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  • 市民公開医療セミナー(4)

    2012年9月04日(火曜日)

    テーマ:市民公開医療セミナー

    8月25日(土)に、
    「健やかに生きるための健診・運動・食生活の心得」をテーマに
    第4回目の市民公開医療セミナーを開催しました。



    これまで「市民公開医療セミナー」では、
    がんや心臓の病気、脳の病気などについて講演を行ってきましたが、
    聴講者の皆さんに実施したアンケートで、
    病気にならないための「食事」や「運動」、
    早期に病気を発見するための「健診」などについて聞きたいという
    ご要望が多かったため、
    今回は健診・運動・食生活を中心テーマに、
    最新の検査と骨粗鬆症についても合わせて、
    下記の内容で開催しました。

    ●健やかに生きるための健診と人間ドック
       新古賀クリニックの柳瀬敬子・健康管理センター主任
    ●最新鋭のCTとMRIが発見する様々な病気
       新古賀病院の橋爪一明・放射線診断技師部長
    ●高齢女性に多い骨粗鬆症の検査と治療
       古賀病院21の山本俊策・整形外科医師
    ●生活習慣病を予防する有酸素運動とリハビリ
       新古賀病院の小堀岳史・リハビリテーション部技師長
    ●健康づくりのための食生活の心得
       古賀病院21の鶴久直美・栄養科科長



    それでは、今回のセミナーのポイントとなる、
    病気の予防や早期発見に関わる内容を一部ご紹介します。

    ●人間ドックの目的とは何でしょうか
       1. 静かに進行する生活習慣病の予防
          生活習慣病は長い時間をかけて少しずつ進行するので、
          自覚症状が現れた時にはかなり進行していることも
          少なくありません。
          早期に気付き、生活習慣を改善することで
          予防することができます。

        2.がんを始めとする様々な疾患の早期発見・早期予防
          がんなどでも早期に治療すれば、
          完治するものも多くなってきています。
          がんにかかったとしても、早期発見・早期治療で
          身を守ることができるのです。

        3.QOL(Quality of Life・生活の質)の向上のために
          高齢化社会となる昨今、「健康寿命」を伸ばすことが
          ひとつの課題です。
          本人にとっても家族にとっても、「健康」で
          「自分のことを自分でできる」ことが
          QOLを高めることになります。
          早期に改善・予防することで、QOLの向上に繋がります。


    ●運動の効果には何があるのでしょうか
        1.体力の保持・増進
        2.精神的ストレスの解消
        3.生活習慣病の予防・治療・リハビリ・肥満改善、糖代謝の正常化
          ●血圧を下げる
          ●心臓病を減らす
          ●骨粗鬆症の予防
          ●認知症の発症予防


    ●運動の方法はどうすればいいのでしょうか
       1回の運動は以下の流れで実施すると、安全で効果的です。
        1.準備運動:ストレッチ体操
                所要時間としては5~10分程行ってください。
                ストレッチを行うことで筋肉への血流を増やして
                体温を高め、心臓や肺の働きを運動に
                適した状態にします。

        2.補助運動 :筋力トレーニング関係
                「運動」にともなうトラブル回避に有効で、
                 「代謝」を高めることに一役買います。
                「有酸素運動」とセットで行うことで、
                さらに効果が増します!
                最初のうちは
                自分の体重を利用した運動から始めて、
                慣れて余裕が出来てきたら「道具」を使って
                負荷をかけましょう。
                歯を食いしばるほどの負荷は必要ありません。
                関節や筋肉と相談しながら調整しましょう。

        3.有酸素運動:ウォーキング、自転車
                 「ウォーキング」から始めてみましょう。
                 所要時間としては20~30分以上、
                 ある程度「連続性」のある歩行が大切です。
                 まずは自分でできる速さで歩いてみて、
                 徐々に速さを変えていきましょう。
                 姿勢は正しく、少し歩幅は広めにして、
                 「息切れしない」程度に。
                 「じわっと汗が出てくる」も一つの目安です。

        4.整理運動:軽いストレッチ体操
                運動の急激な中止は体に負担がかかります。
                筋肉に溜まった老廃物の処理のためにも
                整理体操は有効です。

           ※ストレッチや筋肉トレーニング、有酸素運動については、
            ブログで連載中の
            「フィットネスだより」で順次ご紹介していきます。


    ●生活習慣病を予防するにはどういった食事をすればいいのでしょうか。
     一番大切なことはバランスのよい食事を摂ることです。
     主食となる炭水化物、主菜のたんぱく質のおかず、
    副菜のビタミンやミネラルを必ず組み合わせてください。

        1.食事のはじめに、まず野菜
           食物繊維がコレステロールの吸収や食後血糖の上昇を抑え、
           便秘も予防します。
           また、野菜不足の食卓では、
           たんぱく質やエネルギーをとり過ぎやすくなります。
           野菜の摂取量は1日350g以上を目標に!
        2.脂質のとり過ぎに注意
           「揚げる」「炒める」のではなく、
           「茹でる」「焼く」「蒸す」など、調理を工夫して
           油脂をカットしましょう。
           脂肪の多いロースやバラ肉は控え、
           赤身の多いモモ肉やヒレ肉を使いましょう
        3.食塩を減らして薄味に
           塩分のとり過ぎは、
           血管に与えるダメージが大きいことがわかっています。
           高血圧対策にはまず減塩!
        4.欠食を止め、遅い夕食に注意
           朝食や昼食を抜く欠食は、
           ほかの食事の量を増加させる原因になります。
           夜になると副交感神経が優位になって、
           体は休息モードになるため、摂取したエネルギーを
           貯めやすくします。
           夕食は寝る前2~3時間前までに
           済ませる習慣をつけましょう。
        5.よく噛んで食べよう
          たくさん噛んで食べると満腹中枢が刺激され、
          腹八分目で満足して食べ過ぎを防ぎます。
        6.お酒、おつまみのエネルギーに注意
          お酒を飲みすぎると、お酒自体のエネルギーに加えて、
           食欲増進効果で食べ過ぎてしまいますので注意しましょう
        7.間食を控えよう

    これ以外にもCT検査とMRI検査の仕組みやその違いについてや、
    骨粗鬆症に有効な検査や治療法などの講演を行いました。


    次回の市民公開医療セミナー(5)は糖尿病をテーマに、
    12月8日(土)の開催を予定しています。
    また、10月20日(土)には、
    NPO法人「九州元気の会」主催、古賀病院グループなどの協力で、
    「乳がん市民セミナー」も開催します。
    それぞれ開催1ヶ月前頃になりましたらHPなどで告知を行いますので、
    興味のある方はぜひご参加ください。

    (広報担当 ヒガシ)