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大動脈瘤治療 「ステントグラフト内挿術」
2012年5月25日(金曜日)
テーマ:検査・治療レポート
皆さんは「大動脈瘤」という病気をご存知ですか?
「大動脈瘤」とは、動脈硬化などが原因で、大動脈の一部がもろくなって
コブ状に膨れる病気です。
「大動脈瘤」は、破裂すると大量の血液を一気に失い、
高い確率で死に至ってしまうため
「サイレントキラー」とも呼ばれています。
「大動脈瘤」は瘤ができる場所によって、
胸部大動脈瘤と腹部大動脈瘤に分かれます。
瘤の大きさが胸部では6㎝以上、腹部では5㎝以上、
あるいはどちらも年間0.5㎝以上拡大する場合には、
破裂する危険性が高く、治療が必要です。
新古賀病院の心臓血管センターでは、
お腹や胸を切開して大動脈の血流を一時的に遮断して
瘤の部分を人工血管で置き換える「人工血管置換術」と、
お腹や胸を切開しないで、足の動脈(大腿動脈)から
細い管(カテーテル)を挿入して人工血管を患部に留置して治す、
「ステントグラフト内挿術」を実施しています。
「人工血管置換術」は従来からの確立された治療法です。
一方、「ステントグラフト内挿術」は新しい治療法で、
太ももの付け根を数㎝切開して、小さく折りたたんだステント付きの
人工血管を大腿動脈から挿入し、レントゲン透視下で
瘤の位置に留置固定して治療します。
痛みが少なく、身体への負担が少ないのが最大の特長です。
治療前の大動脈瘤
ステントグラフト内装術の治療後
腹部大動脈瘤での「人工血管置換術」では手術の後、
約2週間の入院が必要ですが、
「ステントグラフト内挿術」は約1週間で退院できます。
特に、心臓や肺が弱い方や、体力のないお年寄りには有用で、
合併症の多い患者さんの治療も可能です。
血管の形によってはステントグラフト内挿術が適切でない場合も
ありますので、新古賀病院では、2つの治療を実施しています。
なお、「人工血管置換術」も「ステントグラフト内挿術」も
保険適用の治療です。
(広報担当 ミズウチ・ヒガシ)